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従業員の労働時間・賃金削減でコロナ禍を乗り切る国内企業

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年05月08日

新型コロナ感染拡大に伴う検疫措置(感染拡大防止措置)により、ブラジル国内企業の経営が悪化している。同措置は、食糧やライフラインの供給、銀行、医療など生活に必要不可欠な商業・サービス以外の全ての施設を強制的に閉鎖するもので、各自治体が判断して導入する。サンパウロ州では3月24日から導入されている。

経済活動が低迷する中、各社は連邦政府が施行した緊急支援策を活用し、労働時間に応じた賃金削減や雇用の一時中断で経営の危機を乗り切ろうとしている。

連邦政府による緊急支援策である大統領暫定措置令(MP936外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます号)は、資金繰りが悪化した企業による大量解雇を防ぐ目的で考案されたもので、4月1日に施行された。

国内企業は、労使間での合意を前提に、(1)雇用の一時中断(最長60日間)、(2)従業員の勤務時間に比例した給与の最大70%までの削減(最大90日間)が可能となった。年商480万レアル(約9,600万円、1レアル=約20円)以下の企業の従業員給与削減分に対しては全額、同年商を超える企業の従業員の給与削減分については最大70%まで、政府がそれぞれ失業保険から補助・給付する仕組みだ(2020年4月9日記事参照)。経済省は、4月22日までに350万人以上の労働者が労働時間の削減や雇用の一時中断の対象になったと明らかにしている。

経済研究所財団(FIPE)は3月~4月17日に国内企業が労使合意した(労働契約上の)条項(計1,045条項)を抽出・分類した。これによると、全体の18%が労働時間の短縮、17.9%が賃金の削減、17.3%が雇用の一時中断、に関する条項となり、この3つで半分以上を占めた。続いて10.4%が集団休暇(注)取得の前倒し、10.2%が給与削減、9.2% が就業時間の調整、6.3%がテレワークの実施、に関する条項となっている。

同期間に、労使間での合意に達した企業を業種別にみると、バー、レストラン、ホテルが全体の22%、輸送、保管、通信が21.6%、卸売・小売業が12.9%、衣料品、履物、革製品が11.8%、自動車関連を含む金属加工が4.7%となっている。

企業による労働時間の短縮、賃金の削減、雇用契約の一時中断が可能となる大統領暫定措置令(MP936号)については当地進出日系企業の関心も高く、ブラジル日本商工会議所はジェトロと共催で4月27日に「緊急WEBセミナー(雇用維持のための救済措置解説セミナー)」を開催した。録画ビデオと資料は同会議所ウェブサイトに掲載される。

(注)ブラジル労働法で定められた休暇の1つで、工場などが操業停止する際、従業員に最低10日間取得させる。年に2回までの取得が可能で、休暇期間は企業側が決める。ポルトガル語ではFérias coletivasと呼ばれる。

(大久保敦)

(ブラジル)

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