スタートアップ企業、家庭での検体採取による新型コロナ検査を開始

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年05月13日

ブラジル発のスタートアップ企業のテスチフィ(Testfy)は、家庭での検体採取による新型コロナ検査を4月から開始した。実施する検査は、人体内のウイルス遺伝物質を探るPCR検査と、病気に対する抗体の存在を識別する血清検査の2種類だ。

テスチフィのサービスを利用するには、同ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにアクセスする。まず、PCR検査キット(5月1日現在280レアル、約5,320円、1レアル=約19円)や、血清検査キット(290レアル)を購入する。次に、検査キット専用ボックスが自宅に届いたらボックス内のカードに記入し、QRコードで携帯アプリにアクセスしてID、その他カルテに必要な情報を入力する。さらに、採取ガイドラインに従って3本の検体採取棒を使って、両方の鼻奥と喉奥(咽頭)からそれぞれ検体を採取して専用容器に保存する。専用容器は、記入済みカードとともに専用ボックスにセットして返送すれば完了だ。検査結果は2~5日で判明し、結果は携帯専用アプリで確認できる。

検体採取については、サンパウロ市内に限り50レアルを追加すると、看護師による検体採取も可能だ。同社は専用YouTube番組外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、検査キットの使用方法を分かりやすく解説している。

テスチフィは、2020年1月に創設された、検査を専門に行うスタートアップ企業。国家衛生監督庁(ANVISA)の認証・登録を受けている。同社は、広大な国土を有するブラジルで新型コロナ感染拡大が急速に進む中、検査体制不足という社会課題を解決するために、家庭での検体採取による検査サービスを開始した。創設者のグスタボ・ジャナウジス氏は、診断分野の薬剤師兼生化学者で20年のキャリアを有する。

同社は、4月1日に開催された経済省、ブラジル零細・小企業支援サービス(SEBRAE)、ブラジルスタートアップ協会(ABstartups)の3者によるアクセラレーションプログラムにおいて、オンラインでのピッチ実施対象企業10社の1つに選定され、有望企業として注目されてる(2020年4月15日記事参照)。

(大久保敦)

(ブラジル)

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