経済省、新型コロナウイルス課題解決に向けたオンラインピッチイベントを開始

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年04月15日

4月1日、ブラジル経済省とブラジル零細・小企業支援サービス(SEBRAE)、ブラジルスタートアップ協会(ABstartups)によるアクセラレーションプログラム「イノバチバ・ブラジル(InovAtiva Brasil)」が、新型コロナウイルス感染拡大に焦点を当てたデモデイ・イベント、いわゆるオンラインでのピッチを開催した。

同イベントの目的は、新型コロナウイルス感染拡大で顕在化した課題に取り組むスタートアップを取り上げ、保健省や国家衛星監督庁(ANVISA)、国立経済社会開発銀行(BNDES)などの公的機関や民間企業、投資家に向けてサービスを紹介することで、「ビジネス促進」と「コロナ課題の解決」双方を進めるもの。イベントでは、ブラジルスタートアップ協会(ABstartups)が以下4つの視点から10社を選定し、各社が解決策を紹介した。

  1. 新型コロナウイルスの早期診断テストなどを実現する技術、方策【4社】:Hilab外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますTestfy外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますeLoopz外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますFullDNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  2. 感染者のモニタリング:新型コロナウイルスの医療プロセスと患者データを統合・効率化して正確に監視する技術など【3社】:Carefy外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますePHealth外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますDev4us外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  3. 遠隔医療関係サービス:遠隔地にいる患者とオンラインでの診断などを通じて感染の可能性や重症度を識別する技術など【2社】:Mindify外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますTriágil外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  4. 隔離期間中の健康増進:企業や組織が在宅勤務の従業員向けに匿名での懸念解決や所属企業で働く意義を見つめなおすことを図るプラットフォーム【1社】:Talent Academy外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

Triágil外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、自社で開発したアプリケーションを通じて、簡易な質問でユーザーが自宅で新型コロナウイルス感染疑いの可能性の高さを識別できるサービスを提供している。同社によると、現在約1万5,000人の状況をモニタリングしているが、同イベントを通じてユーザー数を増やすことでデータの量と質が向上し、(1)病院に行くべきタイミングとその対象者の選定や、(2)自治体が感染拡大の可能性が高まっている地域をマッピングすることなどに活用可能だという。

主催者である経済省のカルロス・ダ・コスタ生産性・雇用・競争力担当次官は、「今後も毎週10社クローズアップしていく」と述べており、新型コロナウイルス対策に有効なソリューションを提供するブラジルスタートアップ企業の活躍が期待される。第2回は4月9日に開催され、第1回と同様にYoutubeの「Inovativa Brasil公式サイト」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ポルトガル語のみ)で視聴可能となっている。

(古木勇生)

(ブラジル)

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