スーダン、新型コロナウイルス感染拡大への対策遅れる

(スーダン、エジプト)

カイロ発

2020年05月11日

スーダンの新型コロナウイルス感染者数は、5月7日時点で累計930人となり、同日の新規感染者数は78人だった。4月下旬までは新規感染者は1日当たり約40人のペースだったが、最近は増加傾向であり、政治経済への影響が懸念される。現地報道ではスーダン在住の外国人感染者が十分な治療が受けられなかった状況も出ており、一刻も早い医療体制の整備が求められている。原則、終日の外出禁止令のために政府・企業などは活動を自粛しており、現地企業によれば、工場など多くの労働者を抱える活動においては、政府(軍)やスーダン商工会議所の許可を定期的に取得する必要があるという。また、現地企業や外交筋によると、生活の主要品目であるパンや燃料費は高騰し続け、価格は前年の同じ時期に比べて9割増しに上るという。

政府は、食品など必需品の販売に関してはロックダウンの例外として営業可能としているが、具体的な業種リストなどが公表されていないために混乱が生じている。輸出入に関しては、主要港であるスーダン港は通常どおり海上輸送が可能であり、ハルツーム国際空港は5月20日まで閉鎖としているが、航空貨物は受け入れている(2020年3月19日記事参照)。諸外国からの支援が求められる中、エジプト政府は、新型コロナウイルス感染防止支援のために大量の医薬品や防護服などを積んだ軍用機をスーダンに派遣する意向を表明しているが、国際機関などの支援のめどは見えていない。現地企業などによれば地方では抗議活動も起こっており、治安の悪化も懸念される。

(常味高志)

(スーダン、エジプト)

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