韓国銀行、過去最低の0.5%へ利下げ、22年ぶりのマイナス成長見通し

(韓国)

ソウル発

2020年05月29日

韓国銀行(中央銀行)は5月28日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、現在の0.75%から過去最低の0.50%にすると発表した。同行は利下げの理由として、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済活動が大きく萎縮したことを挙げた。

同行は同日、「経済展望(2020年5月)」を発表し、2020年の実質GDP成長率見通しを、2月27日に発表した2.1%(2020年3月4日記事参照)からマイナス0.2%に下方修正した。マイナス成長になれば、1998年以来、22年ぶりとなる。各項目の成長率は以下のとおり(添付資料表参照)。

  • 民間消費は、新型コロナウイルス感染の影響で不振となるが、政府の雇用支援政策などで所得環境が改善され、下半期にはプラス転換となる見込み。設備投資は、半導体などIT部門を中心に小幅回復すると予想している。知的財産生産物投資は、民間研究開発(R&D)投資を中心に低下すると予測し、建設投資については、住宅建設などが不振で引き続き減少するとしている。財輸出は、新型コロナウイルス感染の世界的拡大の影響により、マイナスに転換すると予測している。
  • 雇用:2020年の就業者数は前年比3万人の増加を見込む。政府の雇用対策などで宿泊・飲食、教育、卸・小売り、保健福祉、公共行政などサービス業を中心に、下半期から徐々に回復すると見込むが、製造業は、電気・電子、自動車、造船など一部業種の業況が改善されないため、就業者数が減少すると見込んでいる。
  • 消費者物価:新型コロナウイルス感染の影響で国際原油価格の下落、景気鈍化などの影響を受け、前年比0.3%上昇と、2月時点の見通し(1.0%上昇)を下方修正した。
  • 経常収支:世界的な貿易量の減少などで、黒経常収支の字幅が570億ドルと、2019年に比べ縮小すると予想している。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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