韓国銀行、新型コロナウイルスの影響で2020年の経済成長率を2.1%に下方修正

(韓国)

ソウル発

2020年03月04日

韓国銀行(中央銀行)は2月27日、韓国の「2020年経済展望(2020年2月)」を発表し、2020年の実質GDP成長率見通しを、2.3%(2019年11月29日発表)から2.1%に下方修正した。また、新型コロナウイルス感染症の影響で経済成長が一時萎縮すると予測し、不確実性が高い状況と分析した。各項目の成長率は以下のとおり(表参照)。

表 経済展望(前年比)
  • 民間消費・設備投資・知的財産生産物投資・建設投資・財輸出:民間消費は、新型コロナウイルス感染症の拡散に対する不安が拡大しているため、新型コロナウイルス感染症が終息するまで萎縮すると予測した。設備投資は、半導体、ディスプレイなどIT部門を中心に回復すると予想した。知的財産生産物投資は、政府部門での次世代・5G(第5世代移動通信システム)基盤の先端技術を中心に大きく拡大される見込み。建設投資については、住宅建設の減少により引き続き減少するとみており、財輸出は、米中貿易摩擦の緩和や半導体景気の回復などで改善すると予測している。
  • 雇用:2020年の就業者数は、政府の雇用事業および研究開発(R&D)予算が増額される中、保健福祉などサービス業の雇用が増加するとしているが、新型コロナウイルス感染症の影響により、宿泊飲食、運輸、卸小売りにおけるサービス業の雇用は減少する見通し。製造業については、雇用不振が一部緩和されるとみている。
  • 消費者物価:農畜水産物や石油類の価格上昇などにより、2019年を上回る見通し。
  • 経常収支:経常収支は、サービス収支の赤字が拡大するため、黒字が縮小する見通し。貿易収支は、半導体景気の回復を受け、輸出がプラス転換となり黒字が拡大する一方、サービス収支は、新型コロナウイルス感染症の拡散により外国人観光客が減少し、旅行収支を中心に赤字が拡大するとみている。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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