自動車メーカーが生産を再開、労働省は企業向け衛生プロトコルを発表
(フランス)
パリ発
2020年05月07日
PSAグループは5月4日、同日から11日にかけて(フランス国内は5月11日から)移動制限解除(2020年5月1日記事参照)に伴う自動車販売店の営業再開や各モデルの販売状況に応じ生産を段階的に再開すると発表した。従業員の安全確保のため作成した衛生マニュアルに則り、検温、マスクとアルコール消毒液の配布、マスクやゴーグル着用、人的距離の確保、床や工具の消毒、チーム交代時の接触を減らすローテーションの調整などの措置を実施する。
厳格な感染防止措置を取り入れた新たな生産システムへの適応を目的に4月23日からバランシエンヌ工場の日中(7時から14時50分)操業を再開していたトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・フランス(TMMF)は4月29日、5月4日から夜間操業も開始すると発表。昼夜の交代時には従業員の接触機会を減らすため勤務時間を調整するなど、本格的な稼働を前に安全確保を第一に操業している。
移動制限措置の段階的な解除を踏まえ、多くの民間企業は衛生安全確保に向けた対応に追われる。労働省は5月3日、企業向けガイドラインとなる衛生プロトコル(マニュアル)を発表。石鹸・アルコール消毒ジェルの供給・手洗い励行、従業員一人当たり4平方メートルの面積確保(できない場合はマスクの配布)、3時間ごとの15分間の換気、職場の頻繁な洗浄・消毒、出退勤時の人的距離の確保などが盛り込まれた。
事業再開に向けマスクの調達は企業にとり重要な課題となる。カルフールなど大手スーパーは5月4日から、経済・財務省が5月1日付で小売販売価格の上限を95ユーロセントに設定したサージカルマスクの販売を開始した。企業向けにはネット通販「シーディスカウント」(流通カジノグループ)が従業員250人以下の中小企業に限定した専用サイト
でサージカルマスクを販売する。ラ・ポストは従業員50人未満の中小・零細企業向けのマスク販売サイト
を設置、20回洗って使える布マスクを販売している。
(山崎あき)
(フランス)
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