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コロナショックにおける人事労務、ジェトロがウェビナー開催

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年05月01日

ジェトロは4月27日、ジャカルタで同所初の試みとしてウェブ上でのセミナー(ウェビナー)を開催した。インテリジェンスHRソリューションズ・インドネシアの森智和氏が、新型コロナウイルス感染拡大下での労務問題につき解説を行った。インドネシアでは、特定の州や地域において大規模社会制限(PSBB)(注1)が実施されており、特定業種以外は在宅勤務を義務付けられている。こうした動きを受け、事業運営や従業員の勤務体制に変化が生じ、労務面で課題を抱える日系企業が増加している。本ウェビナーは募集開始から1日で定員(100人)に達し、多くの企業が高い関心を持っていることがうかがえた。

森氏は日系各社の活動動向、自宅待機中の賃金、人員削減の3点につき解説した。

日系各社の活動動向に関して、製造業ではPSBB下でも工業省からオンラインで活動認可(SIINas)を取得し、活動する日系企業が多いが、生産量が減少し人員を自宅待機させているケースもあると指摘した。非製造業は原則在宅勤務だが、クラウドサービスを導入し、在宅での業務を円滑化している企業も見られると述べた。

自宅待機中の賃金に関して、森氏は、「経営者は労働者に対し、基本給、および固定手当を支払う」という「自宅待機に関する労働局長宛ての労働省指導書1998年第5号」を引用する一方、「コロナショックによる自宅待機とする場合、労使間の合意があれば減額できる」とアドバイスを行った。さらに、宗教大祭手当(THR)(注2)の減額や支払い時期の変更についても、労使間で合意する必要があると述べた。

人員削減について、前提として合理化に伴う解雇はインドネシアでは違憲であるとし、合法的な雇用関係の終了は、早期退職が唯一の方法と語った。その際は金銭条件や実施のタイミングなどが重要になると指摘した。しかし、インドネシアでの退職金は高額になるため、早期退職者が増えれば退職金の支給額によっては企業の経営が深刻な影響を受けるとも指摘。経営者は人員削減や、最悪の場合は会社清算という厳しい判断を下す必要があると締めくくった。

本ウェビナー参加者からは、「今最も必要としている情報だった」「コロナウイルスで不安な時期に開催頂き情報の入手・共有の面で安堵した」などのコメントが寄せられた。5月4日には税務に関するウェビナーも開催予定だ。

(注1)PSBBは4月3日に制定された「新型コロナウイルス即応のための大規模な社会制限に関する保健大臣令(2020年第9号)」に基づき、各地方政府が中央政府に大規模な社会制限の措置について申請し、保健大臣の了承が得られれば,当該地方政府は申請内容に沿った大規模な社会制限を実施することが可能。ジャカルタ特別州では、4月10日から5月21日まで実施予定。民間企業は、11業種を除いて在宅勤務が義務付けられる。住民は外出可能だが、マスク着用義務があり、外出は生活必需品の買い物などに限定される(2020年4月24日記事参照)。

(注2)イスラム教徒の断食明け大祭、カトリック・プロテスタント教徒のクリスマス、ヒンズー教徒のニュピ(ヒンズー歴新年)、仏教徒の仏誕祭、儒教の中国正月という宗教大祭前に支給するもの。イスラム断食明け大祭前に支給することが多い。対象は勤続 1 カ月以上の労働者で、例えば、勤続1年を超える労働者には固定賃金の1カ月分以上を、遅くとも大祭7日前までに、ルピアで支給する必要がある。

(シファ・ファウジア、上野渉)

(インドネシア)

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