首都ジャカルタの大規模な社会制限、28日間延長

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年04月24日

ジャカルタ首都特別州のアニス・バスウェダン知事は、新型コロナウイルス感染拡大対策のため、4月10日から首都全域で実施していた大規模な社会制限を28日間延長し、5月22日まで実施すると発表した。同制限は4月23日で終了する予定だったが、これにより断食明け大祭(レバラン)まで社会制限が続くことになった。一部の例外業種を除き、全ての事業活動は自宅から行うなど、措置の内容に変更はないものの、アニス・バスウェダン知事は、規則違反者には厳しい対応を取る意向を明らかにした。

ジャカルタ特別州政府が発表したプレスリリースでは、州知事規程2020年第33号で例外的に操業が認められている11種類の例外業種(2020年4月14日記事参照)以外で操業している事業者に対して、厳しい態度で臨むとしている。また、既に操業継続中に従業員の中に感染者が発生した何社かの企業に対して、操業の一時閉鎖を命じたとしている。

実際に現地紙「コンパス」は4月22日付の記事で、工業省から許可を得て操業継続をしていた工場において従業員の感染が確認されたため、ジャカルタ労働局が14日間の操業停止を命じた事例を報道している。こうした事例に加え、前述のアニス知事の発表内容を踏まえると、工業省の許可を得て操業していたとしても、従業員に感染者が発生した場合は、工場全体の一時閉鎖等の措置が命じられる可能性がある。

地方自治体に工業省の操業許可の監督権限

工業省は4月17日付で同省が発行する操業許可の取り扱いに関して、地方自治体首長宛ての書面を発出した。同書面は地方自治体などの操業許可の監督権限を容認するもので、地方自治体などによる現場査察・指導の結果、感染拡大防止のための措置が十分に講じられていない工場と判断された場合、地方自治体から工業省に対して許可の取り消しを進言できるとしている。今後は工業省の許可を取得している事業者は工場所在地の地方自治体の方針に沿った操業を行うことが要求される。

延長期間には発表内容と文書で異なりも

アニス知事は延長の期間を5月22日までと発表したが、同日公布された州知事決定2020年第412号によると、延長期間は最長で5月21日までとされ、発表内容と文書に異なりも見られる。

(山城武伸)

(インドネシア)

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