新型コロナウイルスで閉鎖の職場再開に向け、詳細な感染防止策発表
(シンガポール)
シンガポール発
2020年05月12日
人材省、全国労働組合会議(NTUC)、シンガポール国家雇用者連合(SNEF)の政労使パートナーは5月9日、職場閉鎖の終了が予定されている6月1日以降、職場で導入するべき詳細な感染防止対策を発表した。シンガポールでは、新型コロナウイルスの影響で4月7日から必須サービスを除く多くの職場が閉鎖されているが、5月5日から業種別に段階的な営業再開が始まっている(2020年5月7日記事参照)。
発表によると、職場再開に当たって各事業者は、(1)感染防止策の導入、リスク回避手段など詳細な計画立案、(2)感染防止策を実行する「安全管理責任者」の任命、(3)自宅勤務継続や内外会議のオンライン化など職場での対人接触の回避、(4)社員の出社、訪問客記録のためのシステム「セーフ・エントリー・システム」(注1)導入を含む感染者発生時の追跡を容易にする措置、(5)マスク着用、手洗いなど各社員の衛生指導、(6)職場の衛生管理の徹底、(7)社員と訪問客の検温など健康チェック、感染者発生時の対応策、などを導入する必要がある。政労使パートナーが今回発表した対応策の詳細については人材省のホームページを参照。なお、同対策は一般的な職場を想定したものだが、製造・物流現場、小売りや飲食店、運輸について別途、分野別に感染防止策がある(注2)。
5月12日からタクシーも段階的に感染者追跡のためのシステム導入へ
一方、オフィスや工場、ショッピングモール、スーパーマーケットなどは5月12日までに、セーフ・エントリーの導入が義務付けられる。セーフ・エントリーの導入が義務付けられる場所のリストは、同システムの情報ページにその都度、アップデートされる。保健省によると、5月9日までに店舗など1万6,000カ所でセーフ・エントリーが導入されている。
シンガポールで5月10日までに確認された新型コロナウイルス感染者数は2万3,336人に上り(うち、20 人が死亡、22人が重篤、2,721人が回復)、このうち2万961人がドミトリーに居住する低熟練外国人労働者向けの就労ビザ「ワーク・パミット(WP)」保有者。低熟練外国人労働者以外の国内感染者は過去1週間、1日当たり平均9人と、その前の週の11人から減少しているが、外国人労働者の感染は引き続き増加している。
(注1)セーフ・エントリーは、QRコードを携帯電話でスキャンして、入退店した人の情報をその後の追跡用にクラウドに記録するシステム。詳細はセーフ・エントリーに関する政府のホームページ参照。
(注2)製造・物流現場、飲食・小売り、運輸の分野別感染防止策については人材省のホームページ参照。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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