第1四半期の観光収入、観光客数ともに40%以上減少

(フィリピン)

マニラ発

2020年05月07日

フィリピン観光省(DOT)は4月28日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、2020年第1四半期(1~3月)の観光収入と観光客数が共に40%以上減少したと発表した。

DOTは、第1四半期の観光収入は798億ペソ(約1,676億円、1ペソ=約2.1円)となり前年同期比で40.6%減少、観光客数は131万人と同40.2%減少した、とした。

DOTのロムロ・プヤット長官は、国内観光産業の保護のため、各種申請料金の徴収猶予、各種インセンティブの付与、無利子ローンの提供、解雇された労働者への支援などからなるツーリズム・リスポンス・アンド・リカバリー・プログラムを近く立ち上げるとした。

プヤット長官はさらに、新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後の国内観光産業の操業条件について、「宿泊施設、交通手段、観光関連施設、会議室、展示場、レストラン、スパなどの定期的な消毒と衛生管理を義務化し、そうした施設への当局による検査が行われることになる」とした。ただし、今年中に海外からの観光客がフィリピンを訪問することができるまで事態が収束することはないとの見込みを示した。

アジア開発銀行(ADB)は4月3日、新型コロナウイルスの感染拡大による2020年のフィリピンのホテル業やレストラン業など個人サービス関連業の経済損失について、業種別GDP比で最大9.63%の損失が発生するとし、業種別で最も大きいと試算した(2020年4月9日記事参照)。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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