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6月の事業再開を見込む在カナダ日系企業は35%、5月中は29%

(カナダ)

トロント発

2020年05月11日

カナダでは、新型コロナウイルス感染者の少ない州などから順次、経済活動の再開が段階的に行われている。オンタリオ州では5月4日から造園業や洗車場などが再開され、建設業も必要不可欠な事業から制限が緩和されつつある。このようにカナダ国内で経済再開への道筋が示され始めた中、ジェトロは在カナダの日系企業を対象に、売り上げへの影響や事業の継続状況、生産状況、事業の方向性、雇用への影響などについて、緊急アンケートを実施した(注)。

約7割の企業で売り上げ減少

回答企業(82社)の約7割(58社)が過去1カ月の売上額が前年同月比で「減少」、約2割が「横ばい」と回答した。売り上げが減少した企業のうち、前年同月比で50%以上減少した企業は、(回答のあった)51社中29社(56.9%)に上った。

職場閉鎖命令や自宅待機勧告が出ている州に所在する企業で、「必要不可欠事業に該当するため、職場で事業継続している」企業は24.7%だった。「必要不可欠事業に該当するが、在宅にて事業を実施している」企業(28.8%)、「必要不可欠事業に該当しないため、在宅で事業を実施している」企業(26.0%)などと合わせると、調査時点で在宅勤務を実施している企業は57.8%となっている。

生産を中断している企業は34.5%

カナダ国内で製造している企業のうち、現在も通常どおり生産の企業は10.3%にとどまった。通常の8割以上の生産をしている企業は10.3%、3割以上8割未満の生産は17.2%、3割未満の生産は10.3%となっており、生産を中断している企業は34.5%に及んだ。生産状況が通常未満または生産を中断と回答した企業にその理由を聞いたところ、国内需要の減少を挙げた企業は6割(12社)に達した。

2020年末ごろまでのカナダでの事業の方向性については、68.8%の企業が「現状維持」と回答したが、「縮小」との回答は23.8%に上った。

4分の1強の企業が従業員の雇用に影響あり

新型コロナウイルス拡大による従業員雇用への影響については、26.8%の企業が「雇用継続に影響あり」と回答した。そのうち、一時無給休職(雇用契約は継続、健康保険などは維持)で対応する企業は47.8%、解雇する企業は17.4%だった。

従業員の給与については、「物価上昇分の昇給」は3割にとどまり、「物価上昇分を下回っての昇給」が7.5%、「昇給を行わない」が27.5%となった。このほか、給与減額、政府の助成(CEWS)の受領の有無により決定、昇給時期を遅らせるなどの回答もあった。

事業再開の見込み

事業再開を判断するに当たっては、53社中40社が「自宅待機令の解除が必要」と回答しており、以下、「従業員の安全確保できる社内の衛生管理体制の確立」(33社)、「新型コロナウイルス感染症の収束」(21社)、「需要の回復(取引先の生産再開を含む)」(18社)が挙がった。事業再開の時期については、5月中との回答が29.2%、6月以降が35.4%、わからないが同じく35.4%だった。

事業再開の課題としては、「マスクなど防護用具、衛生用品の確保」(17.3%)、「従業員同士の距離(2メートル)の確保」(17.3%)、「従業員の不安払拭(ふっしょく)」(16.2%)などが上位に挙がった。

(注)アンケートはカナダ現地時間4月29日~5月1日に実施し、82社から回答を得た。アンケート結果の全文は「在カナダ日系企業の新型コロナウイルス対策に関わる緊急・クイックアンケート調査結果」から閲覧できる。

(酒井拓司)

(カナダ)

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