労働雇用省、新型コロナで140万人が既に失業と発表

(フィリピン)

マニラ発

2020年05月01日

フィリピン労働雇用省(DOLE)は4月26日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、4月24日時点で140万人の失業者が新たに発生したと発表した(参考:2019年の失業者数は226万3,000人、2020年1月15日記事参照)。

DOLEは、失業者が発生した事業所のうち90%が、労働者に対して1人当たり5,000ペソ(約1万5,000円、1ペソ=2.1円)を支給するDOLEの補助制度(CAMP)(注)を活用したものの、失業者の発生を防ぐことができなかったとした。

失業者を地域別にみると、マニラ首都圏が68万7,634人で最も多く、以下、中部ルソン地域(28万1,278人)、ダバオ地域(20万7,789人)、カラバルソン地域(15万8,646人)、北ミンダナオ地域(10万6,162人)、イロコス地域(8万8,531人)、中部ビサヤ地域(8万6,767人)、ミマロパ地域(7万4,533人)、西ビサヤ地域(6万5,892人)などと続いた。

フィリピン政府は4月23日、4月30日を期限としてマニラ首都圏を含むルソン地方全体を対象に実施している外出禁止や公共交通機関停止といった広域隔離措置(ECQ)について、5月15日まで期限を延長すると決定(2020年4月27日記事参照)。ECQの延長により、さらなる失業者の発生が懸念される。

23万人以上の在外フィリピン人労働者が資金援助を求める

DOLEは4月26日付の同発表で、23万3,015人の在外フィリピン人労働者(OFW)が、フィリピン政府に対して資金援助を求めているとした。一方、OFW1人当たり1万ペソまたは200ドルを支援する総額15億ペソの資金援助制度(AKAP)で支援できるOFWは最大15万人であるとした。そのため、23万人以上の全OFWを支援するために予算の増額を検討しているとした。DOLEはさらに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、既に10万人のOFWが失業したとした。

(注)新型コロナウイルスの感染拡大を受けて柔軟な勤務形態による働き方(フレキシブルワークアレンジメント)を導入した企業、または一時操業停止となった民間企業に勤務する労働者に対して1人あたり5,000ペソを支給する制度。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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