広域隔離措置が5月15日まで再延長、1カ月経過も感染者は増加

(フィリピン)

マニラ発

2020年04月27日

フィリピン政府は4月23日、4月30日を期限としてマニラ首都圏を含むルソン地方全体を対象に実施している外出禁止や公共交通機関停止といった広域隔離措置(ECQ)について、5月15日まで期限を延長すると決定した(4月23日ロケ大統領府報道官発表)。

フィリピン政府は当初、ECQを3月17日から開始し、4月12日を期限としていたが、新型コロナウイルスの感染者数の増加が止まらない状況を踏まえ、4月7日付けで4月30日までの延長を発表していた(2020年4月8日記事参照)。

ロケ大統領府報道官はECQの対象地域について、今回、ルソン島のマニラ首都圏、中部ルソン地域(オーロラ州除く)、カラバルソン地域に加えて、以下の地域をECQの対象地域に含めるとした。

ルソン地方:ベンゲット州(コルディリェラ地域)、パンガシナン州(イロコス地域)、オリエンタル・ミンドロ州、オクシデンタル・ミンドロ州(ミマロパ地域)、アルバイ州(ビコル地域)、バタネス州(カガヤン・バレー地域)

ビサヤ地方:セブ州、セブ市(中部ビサヤ地域)、アンティーケ州、イロイロ州(西ビサヤ地方)

ミンダナオ地方:ダバオ市、ダバオ・デル・ノルテ州、ダバオ・デ・オロ州(ダバオ地方)

フィリピン政府はさらに、ECQ下に置かれない感染拡大のリスクが比較的低い地域のうち、複数の地域を対象に一般的なコミュニティ隔離措置(general community quarantine:GCQ)を5月1日に発動するとした。GCQ下の地域では、5月1日以降は労働者の外出が許可されるが、若者や高齢者、健康リスクの高い人は引き続き外出禁止とするとした。また、モールの営業については、21歳から59歳のみの入場許可、入場人数の制限、マスク着用アルコール消毒の義務付けの元、生活必需品販売店など余暇関連の店舗以外を対象に厳しい条件を付した上で、モールの営業再開を行うとした。さらに、優先度の高い必要不可欠な建設プロジェクトの再開を許可するとした。

広域的隔離措置を開始前の3月11日時点では49人だった新型コロナウイルスの感染者数は、4月7日時点で3,764人、4月23日時点で6,981人と増加が止まらない状況だ。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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