政府が輸入時の一括決済対象品目を追加

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年05月08日

バングラデシュ政府は新型コロナウイルス感染拡大対策として、これまで各種輸入に係る規制緩和を発表していたが(2020年4月15日記事参照)、新たに特定品目の輸入に対する決済方法の緩和を発表した。政府は4月12日、外国為替取引ガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〔第7 章33(a)〕に基づき、設備機械や化学品などを一括決済の新たな対象品目とした。この措置は9月30日まで有効で、バングラデシュ銀行(中央銀行)が通達を発出(添付資料参照)している。

一括決済は、信用状(L/C)決済で支払いユーザンス(猶予期間)1年以下および50万ドルを超えない輸入に限り、例外的に認められている支払い方法だ。該当しない場合は原則として、輸入者は外国為替取引ガイドライン〔第7章33c(ii)〕に基づき4回の分割払い(Quarterly Payment)で決済する必要があり、かつ初回の支払いは決済総額の10分の1以上の金額でなければならない。例えば、支払いユーザンスが180日で取引金額が1万ドルの場合、輸入者は輸入日から45日後に1割以上の金額を支払い、残りを3回の分割払いで決済する必要があったが、今回の措置により180日後に一括決済すればよいことになった。輸入者の資金繰りの観点でみると、支払いを遅らせることができ、輸入の緩和措置といえる。

他方、バングラデシュへの輸出者が資金回収リスクを負う取引のシッパーズ・ユーザンス(注)の場合、世界的に深刻な新型コロナウイルスの影響下、今回の規制緩和により取引が円滑に進まない可能性もある。輸出者の観点では、取引銀行に決済のタイミングについて事前に確認することが重要となる。

(注)輸出者が輸入者に信用を供与し、支払いを一定期間猶予する取引方法。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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