一般の乗用車での市内移動を禁止、日系企業含むビジネスにも影響

(ウズベキスタン)

タシケント発

2020年04月01日

ウズベキスタン政府は3月29日、首都タシケント市および地方共和国・州の中核都市での自動車による移動を、3月30日午前6時から4月20日午前0時1分までの約20日間、禁止することを決定した。

禁止措置の例外として、a.食品販売、医薬・医療品の販売を行う組織・団体の社用車および社員の私有車、b.薬局業務、衛生製品の販売・生産に従事する法人・個人の自動車、c.一部病院と道路建設に係る法人、個人事業主に所属する自動車、d.外交団・国際機関の車両、e.住民サービス(ガス・電気・熱供給、水道など)を行う団体の自動車、f.通信、郵便関連業務に従事する自動車、g.商業銀行、医療・検疫サービスに従事する企業が所有する自動車などが指定されている。例外に指定された車両は、政府サービスセンターで許可証(ステッカー)を申請し、窓ガラスに貼付する必要がある。

今回の決定は、タシケント市をはじめ大都市の乗用車のほとんどが規制対象となり、かつタクシーの利用も認められない(運転手による宅配業務を除く)ため、既に実施された規制のうち、公共交通機関の停止措置(2020年3月26日記事参照)と同様、市民生活への影響が大きいとみられる。決定が発表された3月29日午後から夕方にかけては、市内スーパーマーケット、バザール(市場)で自動車での食品の買い出しに向かう多くの市民が見られた。また、日系を含む多くの外資系企業・団体が入居する市内ビジネスセンターでは、既に多くの企業は在宅勤務に移行していたものの、29日には従業員が移動規制導入前に必要書類などをオフィスから自宅に運び出そうとする姿が見られた。また、社用車、タクシーが利用できないため、日系企業関係者も徒歩による移動を余儀なくされている。

移動規制が開始された3月30日朝から、市内中心部の車両の数は大幅に減少し、人通りも少なくなっている(添付資料の写真参照)。

今回の措置を含む一連の政府の対応について、一般市民の大半は新型コロナウイルス感染拡大防止にはやむを得ないと理解を示している。その一方、外出制限(自宅待機)の長期化によるストレスの蓄積を懸念する声や、今回の移動制限導入の時期について疑問を投げかける声も徐々に出始めている(ポータルサイト「ウズメトロノム・コム」3月30日)。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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