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11日間の生産停止義務付けに、経済界から不満の声

(スペイン)

マドリード発

2020年04月01日

新型コロナウイルスの感染拡大が衰えを見せず、緊急治療体制が限界に達しつつある中、スペインでは3月29日に「警戒事態」の延長(2020年3月25日記事参照)に伴う移動制限強化策として、3月30日より4月9日までの11日間にわたり必要不可欠な部門を除くすべての生産活動の停止を義務付ける措置法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが発効した。

同措置法は、食料品、飲料、飼料、衛生用品、医薬品、医療物資などの必需品の生産・流通や、ホテル・宅配フードサービス、医療機関向けサービス、必需品の輸送・物流、ライフライン(電気・ガス・水道・情報通信・エネルギー)のほか、金融・保険、郵便、通信販売、公共交通機関、放送・報道における必要最低限のサービスに従事する者は活動停止の適用を受けないと規定している(注)。

活動停止中も給与を支払い、再開後に労働時間を補填

活動停止により自宅待機となる労働者には、同措置法の適用期間中は通常の給与が支払われるが、その期間の労働時間は活動再開後から2020年12月末までに(残業や休日出勤などの形で)回収すること定めている。但し、在宅勤務などで活動が継続可能な場合は本法の適用外となる。政府は27日の閣議で、新型コロナウイルスを理由とする不可抗力や会社都合による解雇を禁止しており、企業は一時帰休(レイオフ)や本措置を通じた雇用維持を義務付けられている。

ヨランダ・ディアス労働相は29日の臨時閣議後の記者会見で、「この期間は労働時間の短縮を決定した企業もあり、業界ごとに労使間で労働時間の回収方法を定めるのが望ましい」とした。

なお、活動停止措置で主に影響を受けるのは建設業や一部の製造業とされる。重工業や機械、自動車などの大型製造業は、大部分が既に操業を停止して一時帰休を申請しており、通常給与の継続支給義務の対象外となる。大手会計事務所KPMGとスペイン経団連(CEOE)が3月24~26日に国内大手企業25業種・338社を対象に実施したアンケート調査PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、うち28%がすでにレイオフを実施したと回答している。

今回の措置には経済界から不満が噴出しており、CEOEは28日、「この措置は特に製造業を中心として、スペイン経済にかつてない打撃を与え、それは社会問題にも発展するだろう」との声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表。アントニオ・ガラメンディCEOE総裁は30日の国営ラジオで、「拙速とも言える活動停止の決定により、一部製造業は輸出向け納品ができなくなり、売り上げと顧客の信頼の両方に影響するだろう」と苦言を呈した。

(注)その他、ホテル、介護、家事労働者、放送、税務・労務・法務サービス、公証人・登記、新型コロナウイルス関連の研究開発機関、獣医、廃棄物回収など。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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