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新型コロナ感染拡大で、完全オンライン型マーケットの需要急拡大

(メキシコ)

メキシコ発

2020年04月06日

実店舗を持たず、完全にオンライン販売のみのスーパーマーケットサイトを運営するスタートアップ企業のフスト(Justo)は4月2日、メキシコで新型コロナウイルスの感染確認が発表された翌々日の3月1日から30日までの1カ月間の売り上げが、前月比5倍となったと発表した(「フォーブス・メキシコ」電子版4月2日)。特に、3月24日に保健省による人の密集・移動を伴う活動の4月19日までの停止が要請された、「健全な距離維持のための全国キャンペーン(JNSD)」(2020年3月26日記事参照)(注)が発表された後の1週間に注文が殺到したとのことだ。

フストは2019年5月にリカルド・ウェデル氏により創設されたスタートアップ企業で、同年11月に投資会社8社より合計1,000万ドルの投資を受けている。同氏はスペイン資本で、中南米の11カ国で配車サービスを提供しているキャビファイ(Cabify)の前最高経営責任者(CEO)で、退任直後にEC事業を立ち上げた。メキシコの大手スーパーマーケットチェーンであるウォルマート(Walmart)やソリアーナ(Soriana)、チェドラウイ(Chedraui)は、実店舗と自社ECサイトの2つの商流を持つが、フストはオンライン販売のみに限定したスーパーだ。フストのサイトで購入できるのは、同社が国内の仕入先から調達する商品に限られるが、店舗運営コストがないため、販売価格を抑えることができ、大量販売型の大手スーパーとは違う顧客層やニーズを捉えられているという。

また、コロンビア生まれで、メキシコにおいて急速に事業を拡大している配達代行サービス業のラッピ(Rappi)や、同業でメキシコ資本のシン・デランタル(Sin Delantal)、スーパーなどで買い物を代行して指定箇所まで配達を行うコーナーショップ(Corner Shop)といったスタートアップもメキシコでは有名だが、フストの事業はどの企業のそれとも同一ではない。フストは自社スーパーマーケットのECサイトを通じて注文された商品を指定箇所まで配達する。そのため、別途配達代行サービスを利用する必要はない。実店舗を持たないことから、サイト上で購入したものを店舗で受け取るクリック・アンド・コレクト(Clic and Collect)には対応していないものの、販売プラットフォームを保有しながら、配達業というラストワンマイルを兼ねている点は、新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛要請措置が一層厳格化された際に、さらに注目される可能性が高い。

(注)3月31日の保健省令で、JNSDの実施期間は4月30日まで延長された(2020年4月1日記事参照)。

(志賀大祐)

(メキシコ)

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