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政府が「衛生上の危機的状況」を宣言、新たな措置導入

(メキシコ)

メキシコ発

2020年04月01日

メキシコ政府は3月30日、公衆衛生審議会を開催し、現在の新型コロナウイルス感染状況を「不可抗力の衛生上の非常事態」と判断し、同日夜の官報で正式に非常事態を宣言した。翌31日午後には官報(注)で保健省令を公布し、非常事態対処のために以下8つの対策を義務付けた。

  1. 3月30日~4月30日まで必要不可欠な業務以外を停止
  2. 今後も継続できる不可欠な活動として、a.医療など衛生危機に直接的に対処する活動、b.治安維持、国防、司法、行政、c.経済の根本的部門、d.国の福祉政策に直接関連する活動、e.重要な生産・社会インフラの保持や修理に必要な活動に限定する
  3. 不可欠な業務でも50人超の会合は禁止し、健全な距離など必要な衛生措置を取る
  4. 全国民に自主的な自宅待機を要請
  5. 感染リスクが高い層として、65歳以上から60歳以上に年齢を引き下げ、妊婦、糖尿病患者、肥満、既往症のある人々などと同様に自宅待機を厳格に要請
  6. 保健省は経済省や労働社会保障省と連携し、4月30日以降の段階的・地域的な経済・社会活動再開のための指針を定める
  7. 国勢調査など人の移動を伴う調査活動の禁止
  8. 上記対策は全て人権を厳格に尊重した上で行う

重要な内容としては3.で操業可能な場合でも50人超の会合は禁止され、職場での適切な距離確保や衛生対策の徹底が求められる。また、5.で感染リスクが高い層として、65歳以上から60歳以上に年齢が引き下げられた。妊婦や糖尿病患者などと同様、感染リスクが高い人は厳格な自宅待機が必要。3.や5.の違反が査察などで発覚した場合、同省令に明確な罰則はないものの、保健一般法などに基づき処罰される可能性がある。

食品・飲料製造や化学産業以外の製造業の操業継続は不可能か

進出日系企業への影響が大きいのは、2.の継続できる不可欠な活動の定義だ。特に、c.の経済の根本的部門として、3月30日以降も操業を継続できるかどうかの判断だ。c.は、操業が続けられる業種が列挙(注)されているが、その中には「食品・非アルコール産業」「化学産業」以外の製造業が明記されていない。ただし、「一旦停止すると事業存続のために取り返しのつかない悪影響が及ぶ活動」というのが最後に記載されており、この解釈に疑問が残る。2009年の新型インフルエンザ(H1N1)の感染拡大時に、メキシコ政府は5月1~5日まで経済活動の原則停止を命じたが、保税加工業などの生産停止までは求めなかった(2009年5月1日記事参照)。自動車産業など国の雇用に与える影響が大きい産業もあるため、操業停止の例外業種の調整が今後行われる可能性は否定できない。

(注)3月31日付官報公布保健省令第1条IIのc)が定める経済の根本的部門の活動は次のとおり。金融、徴税、燃料の流通と販売、ガソリン・ガススタンド、発電、上水道、食品・非アルコール飲料産業、食品市場、スーパーマーケット・コンビニ、食料雑貨店、調理済み食品販売、人員・貨物輸送サービス、農業、漁業、牧畜、アグロインダストリー、化学産業、清掃用品製造、金物店、宅配サービス、守衛・ガードマン、託児所・保育施設、老人ホーム、暴力被害を受けた女性およびその子供のケア施設、通信、マスコミ、民間緊急保安サービス、葬儀・埋葬サービス、倉庫・保管サービス、不可欠な素材のコールドチェーン、ロジスティック(空港、港湾、鉄道)、一旦停止すると事業存続のために取り返しのつかない悪影響が及ぶ活動。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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