住居と中小企業の賃料に支払猶予、貿易産業省が発表

(フィリピン)

マニラ発

2020年04月14日

フィリピン貿易産業省(DTI)は4月6日、住居賃料および中小企業の商業用の賃料について、賃貸人対し、利息、罰金、その他料金などなしで30日間の支払猶予期間を設けることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、即日発効した。

DTIは、3月16日から4月30日(注1)まで、ルソン島全体を対象に実施している外出禁止や公共交通機関停止を含む広域隔離措置(ECQ)の期間中に発生する住居賃料およびECQの実施によって一時的に操業を停止した中小企業の商業用の賃料(以下、中小企業賃料)について、ECQ終了後30日間の支払猶予期間を設けることを義務付けた。また、ECQ期間中に発生した住居賃料および中小企業賃料は、利息、罰金、その他料金などなしでECQ終了後6カ月に渡って均等に分割払いされるとした。なお、賃貸人は、ECQ期間中に賃借人から既に受けた支払いを返金する必要はないが、次回の支払いについては利息、罰金、その他料金などなしで30日間の支払猶予期間を設ける必要があるとされた。

本措置は、新型コロナウイルスの国内感染拡大を防止するため、3月16日以降ルソン島全体を対象に外出禁止や公共交通機関停止を含む広域隔離措置を実施しており、多くの企業の操業に影響が出ていることを踏まえた措置であり、3月24日に成立したBayanihan to Heal as One Act(共和国法第11469号)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注2)に基づくものである。

フィリピン政府は他にも企業支援策を打ち出しており、中小企業金融会社(Small Business Corporation)は3月24日、中小零細企業向けに金利0.5%での低金利融資制度を、労働雇用省(DOLE)は3月19日、労働者に対して1人あたり5,000ペソ(約1万500円、1ペソ=約2.1円)を支給する制度を発表している。詳細はジェトロのホームページで確認できる。なお、フィリピンの企業の99.52%にあたる99万8,342社が中小企業とされる。

(注1)フィリピン政府は当初4月12日をECQの期限としていたが、4月30日まで延長することを決定(2020年4月8日記事参照)。

(注2)新型コロナウイルス国内感染拡大防止のため、ドゥテルテ大統領の権限を強化するために制定された法律。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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