民間エコノミスト、第3四半期には新型コロナの落ち込みから経済回復と予測

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年04月15日

アルゼンチン中央銀行は4月6日、国内外34人の民間エコノミストらによる最新の経済見通しの集計中央値(REM)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。同見通しは毎月、中銀が民間エコノミストらを対象に実施するアンケートであり、今回の最新の見通しは、新型コロナウイルス感染拡大への対策のための外出禁止令を発令した後の3月26~31日の期間に回答を得たものである。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、アルゼンチンの経済環境は劇的に変化しているが、今回の調査時点において数値の上で大きな悪化が見られたのはGDP成長率と財政赤字にとどまり、インフレ率、政策金利、名目為替レートでは目立った変化は見られなかった(2020年4月14日記事参照)。

また、REMによると、2020年の実質GDP成長率は前年のマイナス2.2%から更に落ち込む見通しとなっているものの、新型コロナウイルスによる経済の落ち込みは一時的なものと予想している。具体的には、第1四半期の実質GDP成長率は前期比マイナス1.6%、第2四半期は同マイナス4.9%、第3四半期は同0.7%と予想し、第2四半期が落ち込みのピークとなったのち、第3四半期には早くも改善が見られるとしている。

一方、財政赤字は前回の見通しから大幅に増加し、2020年末には6,960億ペソ、2021年末にも5,000億ペソの赤字が残されると予想されている。4月7日付「ラ・ナシオン」紙は、赤字を削減するため政府がペソの切り下げを加速させる可能性を示唆している。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

ビジネス短信 aacd618704df58d3