アルゼンチンGDP成長率はマイナス5.2%に、世界銀行予測

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年04月14日

世界銀行は、IMF・世界銀行春季会合の開催に先立ち、中南米諸国(カリブ含む)の経済見通しをオンライン記者会見で4月12日発表した。2020年の中南米地域全体の実質GDP成長率はマイナス4.6%に落ち込むと予測した。アルゼンチンについてはマイナス5.2%と、これまでのマイナス1.3%という予測から大幅な下方修正を行った。

アルゼンチンは、2018年の景気低迷以降マイナス成長が続いており、2018年がマイナス2.5%、2019年がマイナス2.2%だった(2020年4月1日記事参照)。2020年も、当初世界銀行は1.3%と予想していたが、新型コロナの影響による経済活動の鈍化や中国などの需要減による一次産品輸出の減退、原油価格の低迷のほかに、アルゼンチンの場合は債務再編問題の行方なども加わり、今回のマイナス5.2%の予測に繋がった。

世界銀行は中南米地域への対策として、今後1,600億ドル規模の支援を行う予定。アルゼンチン向けには、3月24日に3億ドルの児童対策向けの融資枠が発表され、更に新型コロナ対策向けとして4月2日には3,500万ドルの融資が発表された。特に、経済低迷時において影響を受けやすい低所得者層への支援に焦点が当てられている。

アルゼンチンの経済見通しについて、中銀が発表する民間エコノミストらによる最新の経済見通しの集計中央値(REM)では(添付資料参照)、2020年はマイナス4.3%、現地調査会社のエコラティーナ社はマイナス5.7%、アナリティカ社はマイナス6%と予想している。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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