ジェトロ、新型コロナウイルス対応に伴う加州における事業運営などに関するレポート発表

(米国)

サンフランシスコ発

2020年04月07日

ジェトロは、米国での新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため屋内退避令が出される中、カリフォルニア州において雇用者が留意すべき労務上の留意点をまとめたレポート(3月31日)を発表した。

レポートは前編PDFファイル(0.0B)後編PDFファイル(0.0B)の2編から成る。前編では、カリフォルニア州ベイエリア6郡で3月16日(2020年3月18日記事参照)に、カリフォルニア州全域で3月19日(2020年3月25日記事参照)にそれぞれ出された屋内退避令について解説している。後編では、従業員の在宅勤務や現場業務、解雇や一時解雇、減給などにかかる法的留意点を解説している。

ジェトロがベイエリア所在の日系企業に新型コロナウイルスの影響を聞いたところ、屋内退避令については、「必要不可欠なビジネス(Essential Business)の定義が曖昧」や、「外食産業の営業が制限されているので、今後深刻な影響を懸念している」「カリフォルニア州の屋内退避令は期限が未発表で、終わる見通しのない自粛計画に現場は当惑している」「命令以降、原則、全従業員を自宅勤務にしているが、子供がいる従業員など、平時と全く同じというわけにはいかない」など、対応に苦慮する声が多く聞かれている。

ベイエリア7郡では屋内退避令が延長に

ベイエリア各郡の屋内退避令については、最初の発令時から期間の延長やルールの厳格化が図られている。

サンフランシスコ市・郡では3月31日に、公衆衛生局が新たな屋内退避令(Shelter in place order)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表し、屋内退避期限を当初の4月7日から5月3日まで延長した。ただし、保健衛生官が状況を注意深くモニタリングし、日付は変更される可能性があるとしている。また、屋外でのレクリエーション活動に対して、より厳しい制限を課すとともに、公園の遊び場など複数の人が共有する施設の閉鎖も新たに命じた。

屋内退避の対象外となる「必要不可欠なビジネス」の定義はより明確化され、業務上の制限も強化された。銀行や食料品店、薬局などは、顧客と従業員の社会的距離を保つために、命令に添付されている手順書を店頭に掲載し、その内容を実行することが求められる。レストランなど飲食業は引き続き、持ち帰りとデリバリーサービスのみ認められる。

屋内退避令の延長は、アラメダ、コントラコスタ、マリン、サンタクララ、サンマテオ、ソラノのベイエリア各郡でも同様に発令されている(注)。

新型コロナウイルス対応下のビザ申請にかかるレポートも発表

新型コロナウイルスへの対応策が次々と取られる中、ビザ申請・審査体制がどうなるかも、在米日系企業にとっては大きな課題だ。ジェトロはこの問題についても、ビザに関するレポート(3月23日)PDFファイル(0.0B)を作成している。同レポートでは、新型コロナウイルス対応下のビザ申請・審査体制、米国でのビザ更新の方法、ESTAでの滞在期間の延長の可否などについて、最新状況をQ&Aのかたちで解説する。

(注)ソラノ郡は4月30日までの延長。各郡の改定内容の詳細は各郡の命令を丁寧に確認する必要がある。

(石橋裕貴)

(米国)

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