世界銀行、2020年の中南米カリブ地域GDP成長率をマイナス4.6%と予測

(中南米)

サンパウロ発

2020年04月16日

世界銀行は4月12日、2020年中南米カリブ地域のGDP成長率がマイナス4.6%になると予測した。この発表は報告書「Covid-19時代の経済」によるもので、世銀WEBサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでオリジナルが入手可能だ。同予測値ではベネズエラは考慮されていない。

2020年中南米カリブ地域のGDP成長率については、国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)が4月3日付レポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、良くてもマイナス1.8%、場合によってはマイナス3~4%まで落ち込む可能性を示唆するが、それ以上落ち込む可能性も排除できないと報告していた(2020年4月9日記事参照)。

世銀のマルチン・ラマ・チーフエコノミストは、域内経済は困難な状況にあり、各国政府は人命保護と同時に経済への打撃を抑えるために、「過去に例を見ない財政出動による感染防止・経済対策の必要性に直面している」としている。さらに報告書は、域内各国政府は金融危機を回避しつつ、生活弱者の収入支援や、金融機関との連携による雇用維持支援に取り組む必要性を強調。加えて、中南米域内ではインフォーマルセクターで働く人が多いために、雇用維持対策の効果が限定的になる恐れを指摘している。

なお、域内主要国における2019年GDP成長率と2020年成長予測は添付資料参照のこと。

(大久保敦)

(中南米)

ビジネス短信 9c7b1eba8e5a44d6