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新型コロナウイルス緊急経済対策規模を5倍に拡大

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年04月01日

ゲデス経済相は3月26日、新型コロナウイルス感染拡大による緊急経済対策規模が7,500億レアル(約15兆7,500億円、1レアル=約21円)となることを明らかにした。これは名目GDPの約10%に相当する金額だ。ただし、財政支出のいわゆる真水部分は同4.8%に相当するもよう。

経済省は当初3月16日、政府の厳しい財政再建途上を反映して、当初はこの5分の1程の1,473億レアルの緊急経済対策を発表。翌18日にはブラジル中央銀行が政策金利を0.5ポイント引き下げ、3.75%としていた(2020年3月24日記事参照)。

ところが、議会や国民からは、インフォ―マルセクターでの就業者や個人事業主への収入補助が不十分との訴えが殺到。ゲデス経済相は、GDP比4.8%相当の財政出動を行い、事業規模では同10%に相当する緊急経済対策の実施を決断した。同対策で2020年基礎的財政収支赤字は3,000億レアルを超えるとマンスエット・アルメイダ国庫庁長官は説明している。

ブラジルの緊急経済対策は、(1)弱者救済、(2)中小零細企業の雇用維持、(3)資財調達・施設強化など医療体制強化が柱となる。今回拡充された対策の目玉となるインフォーマルセクターや個人事業主への支給については当初1人当たり200レアルであった政府案を連邦下院議会は600レアルに引き上げる案に修正可決。上院承認待ちとなる。シングルマザー個人営業者への支給は1,200レアルとなる。

第2の目玉は連邦政府系金融機関や、民間金融機関との協調による中小零細企業向け緊急融資による雇用維持である。ブラジル中銀は連邦政府との合意で中小零細企業の運転資金や給与支払いへの融資を行う環境を整えるべく、強制預託緩和により国内金融市場に潤沢な資金供給する。政府発表によると、中小零細企業企業向け融資は年間売上げ36万~1,000万レアルの企業が対象で、解雇をしないことを条件に最低賃金(1,045レアル)の2倍までを融資する。金利は年3.75%で返済は6カ月据え置き36回払いとなる。

以下は緊急経済対策の骨子だが金額は今後、修正される可能性がある。

  • (新規:2,000億レアル)中銀への強制預託緩和による市場への資金供給
  • (1,470億レアル)13カ月給与(冬季ボーナス)支給の前倒し
  • (31億レアル)低所得者向け現金給付プログラム「ボルサ・ファミリア」の拡充
  • (350億レアル→550億レアル)国立経済社会開発銀行(BNDES)による企業融資拡充
  • (700億レアル→1,000億レアル)連邦貯蓄銀行(CAIXA)による企業融資拡充
  • (210億レアル)退職給付積立金の財源拡充:社会統合基金(PIS)と公務員厚生年金(PASEP)を、退職給付積立金である勤続年数補保証基金(FGTS)に充当
  • (880億レアル)州・市への医療支援・債務支払い中断など緊急財政支援
  • (新規:360億レアル)従業員給与支払い緊急融資
  • (新規:800億レアル)個人営業収入支援(月200億レアル)
  • (新規:200億レアル)給与支払い不能に陥った企業への給与支払いおよび回転資金に対する民間金融機関との協調融資

緊急経済対策拡充発表翌日の27日のサンパウロ証券取引所(ボベスパ株価指数)は4.8%下落の7万3,980ポイント。対ドル為替レートは2.22%レアル安ドル高の1ドル5.10レアルだった。金融筋は米国の巨額な経済対策を受けて株価相場は過去1週間上昇基調だったことを株価とレアル下落の理由に上げている。ブラジル5年物CDS(クレジットデフォルトスワップ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのスプレッドは19日の374.9ベーシスポイント(bp)を頂点に29日現在261.4bpまで低下しており、ブラジルのカントリーリスクは改善基調となっている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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