2020年第1四半期の徴税額は目標下回る、財務省が発表

(フィリピン)

マニラ発

2020年04月22日

フィリピン財務省(DOF)は4月20日、2020年第1四半期(1~3月)の内国歳入庁(BIR)および関税局(BOC)による徴税額は6,008億6,000万ペソ(約1兆2,618億円、1ペソ=約2.1円)となり、目標額(7,571億2,000万ペソ)よりも1,562億6,000万ペソ少なかったと発表した。

DOFは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出制限や公共交通機関の停止を含む広域隔離措置がとられたことにより、3月の徴税額が1,631億5,000万ペソとなり、目標額(2,485億ペソ)よりも853億6,000万ペソ、前年同月(1,976億4,000万ペソ)よりも約345億ペソそれぞれ下回ったことが影響したとした。

DOFのカルロス・ドミンゲス長官は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年のフィリピンの経済成長率がゼロ%となった場合は2,864億ペソ、マイナス1%となった場合は3,180億ペソそれぞれBIRおよびBOCによる徴税額が減少するとした。フィリピン政府は、2020年の2機関の徴税目標額を3兆3,070億ペソとし、うちBIRは2兆5,760億ペソ、BOCは7,310億ペソとしている。

ドミンゲス長官はさらに、2016年のドゥテルテ政権発足以降、フィリピンは年平均6.4%の経済成長率を記録するとともに、2019年末時点の政府債務残高は7兆7,312億9,000万ペソ、GDPに占める割合は41.5%(2020年2月21日記事参照)と述べた。同長官は、債務残高が過去の政権と比較して改善していることから、新型コロナウイルスの影響は大きいものの、フィリピン経済は持ちこたえることが可能と説明した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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