IMFが新型コロナウイルス対策で8億8,620万ドルの緊急融資を承認

(コートジボワール)

アビジャン発

2020年04月24日

IMF理事会は4月17日、コートジボワールに対し、新型コロナウイルスの経済的影響に対応するため、2億9,540万ドルのラピッド・クレジット・ファシリティ(RCF)と、5億9,080万ドルのラピッド・ファイナンシング・インストルメント(RFI)を通じた総額8億8,620万ドルの融資実行を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

IMFは、コートジボワールの2020年経済見通しについて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による外需の落ち込みや世界的なサプライチェーンの混乱に加え、投資マインドの冷え込み、封鎖措置や規制など一連の感染阻止対策の影響により、大幅に下振れすると予測している。

一方、コートジボワールが積極的な封じ込め策と合わせて、脆弱な人々への支援、社会的セーフティネットの拡大、基幹産業である農業、運輸やサプライチェーンなど深刻な影響を受けている産業、企業、世帯を支援する経済・社会・人道援助対策への大規模な財政支出のほか、世界保健機関の支援による緊急医療計画の導入など、感染拡大防止に向けて迅速に対応していること(2020年4月20日記事参照)を評価している。

他方、ロックダウンなどの封鎖措置は、感染抑制のため不可欠としながらも、経済活動が制限されることから、税収の減少や財政支出の増加で財政を圧迫し、国際収支に対する緊急な資金ニーズを生じさせているとしている。

IMFのプレスリリースで古澤満宏副専務理事は、「RCF/RFIを通じたIMFの緊急支援は、財政融資と国際収支上の問題に対する緊急な資金ニーズを満たす役割を担う。これと併せて、その他国際機関や二国間の開発パートナーから追加の資金動員の効果が見込める。これらの譲許的融資は、コートジボワールがこの10年間に達成した開発目標を維持するために不可欠な資金ギャップを埋める追加的支援として期待される」とコメントした。

なお政府は、新型コロナウイルスの影響による建設、商業、輸送、観光、ホテル分野をはじめとする生産活動の停滞、一次産品価格の下落や外需の減退といった国内経済への影響が甚大であるとしながらも、感染拡大が6月までに収束し、現在のロックダウンなどの行動規制が段階的に解除されることを前提に、2020年の経済成長率見通しを3.6%と予測している。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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