自動車部門、3月は販売、生産、輸出の全てで大幅減

(メキシコ)

メキシコ発

2020年04月09日

国立統計地理情報院(INEGI)によると、メキシコの2020年3月の自動車販売台数(大型バス・トラックを除く)は、8万7,517台で前年同月比25.5%減となった。前月の2020年2月の販売台数は10万4,328台で、2017年5月以来の前年同月比増加となり(2020年3月13日記事参照)、その後の好調が期待された。しかし、3月に入ると新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け販売は大きく落ち込んだ。

国内販売台数の内訳をメーカー別にみると、ゼネラルモーターズ(GM)が1万6,528台の前年同月比9.6%減、フォルクスワーゲン(VW)が1万1,919台の19.5%減、起亜(KIA)が6,995台の16.8%減だった。日本メーカーでは、日産自動車が1万7,520台の前年同月比31.1%減、トヨタ自動車が8,282台の7.2%減、本田技研工業が3,787台の48.7%減、マツダが3,432台の43.1%減となり、その他外資系メーカーも含め全てのメーカーで落ち込んだ。なお、2020年1~3月では29万6,677台で前年同期比10.9%減となった。

生産、輸出も減少

3月の国内生産台数は26万1,805台で、前年同月比24.6%減だった。また、3月の輸出台数も28万5,075台と11.9%減少した。2020年1~3月でみても、生産、輸出共に減少した(表1、2参照)。

表1 3月のメキシコの自動車生産・輸出・販売台数
表2 第1四半期のメキシコの自動車生産・輸出・販売台数

メキシコ自動車産業界が政府に要望書を提出

こうした状況を踏まえ、メキシコ自動車工業会(AMIA)、メキシコ自動車部品工業会(INA)、メキシコ自動車ディーラー協会(AMDA)、全国バス・トラック・トレーラー工業会(ANPACT)の4団体は新型コロナウイルス対策に関連し、政府に活動停止の例外業種への追加、優遇税制、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の発効延期に関する嘆願書を3月27日に提出(2020年3月31日記事参照)している。また、INAは3月31日に改めて事業の継続を政府に要請(2020年4月3日記事参照)した。

(中井健太)

(メキシコ)

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