オンライン教育市場が拡大、感染症予防で一層の伸びに期待

(ロシア)

サンクトペテルブルク発

2020年04月08日

ロシアのオンライン教育市場が拡大している。オンライン教育プラットフォーム「エドマーケット」は3月25日、「ロシアのオンライン教育市場」と題する調査レポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開した。レポートによると、2019年のロシアにおけるB2Cオンライン教育市場は前年比20%増の385億ルーブル(約539億円、1ルーブル=約1.4円)に達し、伸び率では「成長著しい中国と同じレベル」とされる。さらに2023年までの年間成長率予測では、世界平均の10.3%に対してロシアは12~15%の成長が見込まれ、市場規模は2023年に600億ルーブル(約840億円)に上る。

セグメント別でみると市場規模190億ルーブル(約266億円)を誇る「社会人向け教育」が中心だ。もっとも人気のある講座は外国語で、次いでマーケティング・コミュニケーション・セールス、IT・データ分析・情報技術が続く(添付資料参照)。

レポートではその他のセグメントも紹介。「生徒(注)向け課外教育」が100億ルーブル弱(約140億円)の市場規模に上り高い成長率(33%)が期待されることや、「就学前教育」や「中等普通教育」の市場の伸びしろが大きいことを指摘している。一方で、「高等教育」については大学など公共セクターが強い存在感を示しており、オンライン教育の普及率は4%に満たず、仮に民間企業が参入を目指す場合には大学との連携が欠かせないと述べている。

新型コロナウイルス感染症予防のためロシアでもオンライン教育への注目が高まっていることから、市場の拡大が加速しそうだ。ロシアのオンライン教育システム「フォックスフォード」では3月16~23日の期間、新規ユーザー数が33%増加したほか、オンライン大学「ネトロギヤ」では3月の最初の3週間での登録数が前年比340%増を記録したという(「ルスベース」3月31日)。

(注)ロシアの初等~中等普通教育(6~17歳)の生徒。

(一瀬友太)

(ロシア)

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