新型コロナ対策で中小企業向けに政府保証100%の融資プログラムを追加

(ドイツ)

ベルリン発

2020年04月08日

連邦政府は4月6日、ドイツ復興金融公庫(KfW)による新たに中小企業向け融資プログラムKfWクイックローン2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(KfW-Schnellkredit)を発表した。対象は2019年1月1日以前に営業活動を始めた従業員11人~250人の企業。1社あたりの与信限度額は2019年の3カ月分の売上高を上限とし、従業員50人超の企業は最大80万ユーロ、従業員50人以下の企業は最大50万ユーロとなる。利子は3%、政府保証100%、与信期間は10年と定められ、信用リスク評価は行わずに融資を受けられる。調達した資金は、資材・材料調達と運営コストに利用できる。

ドイツでは中小企業が全企業の99.5%、総売上高の約35%を占め、また約60%の雇用を創出している。しかし、これまで緊急パッケージで打ち出されたつなぎ融資の支援策では、政府保証が90%に設定されるなど、実質的に中小企業が利用できないプログラムだとして批判が出ていた(2020年3月23日記事参照)。

ドイツ商工会議所連合会(DIHK)のエリック・シュバイツァー会長は4月6日「この融資プログラムの要件緩和は適切かつ一貫性のある一歩。資金が企業に早急に届くことを期待する」と今回の追加措置を歓迎するコメントを発表した。

中小企業連盟(BVMW)のマリオ・オーホーフェン会長は、このプログラムに関し、信用リスク評価がなく迅速化が図られた一方、他の融資プログラムに比べ高めの金利が設定されていることを受け、利子は中小企業に負担を強いるものであり、無利子の融資を連邦政府は用意すべきだとして批判している。

(中村容子)

(ドイツ)

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