ラゴス州などの外出禁止を夜間のみに緩和、新型コロナ感染は引き続き拡大

(ナイジェリア)

ラゴス発

2020年04月30日

ムハンマド・ブハリ大統領は4月27日の国民演説で、アブジャを含む連邦首都圏区(FCT)、ラゴス州、オグン州に発令していた外出禁止令(2020年4月10日記事参照)を5月4日に緩和し、代わりに全土において午後8時~翌朝6時まで夜間外出禁止令を発令すると発表した。これをうけて、COVID-19大統領タスクフォースは、行政機関、銀行、製造業者に対し、5月4日より業務を再開するよう指示した。ただし、20人以上の集会の禁止や、マスクの着用、消毒の徹底など、感染拡大を防ぐための措置をとることが義務づけられる。なお、当初4月23日に予定されていた旅客便の運航再開は、2週間延期されることが決定している。

また、ブハリ大統領は同演説の中で、北部のカノ州においては、即時で2週間のロックダウンを行うことを発表した。現地報道では同州で原因不明の病によって数日間で数百人の死者が出たとされるが、新型コロナとの関連は不明だ。

大統領は事実上の規制緩和に踏み切った形だが、ロックダウン開始後に増加したとされるギャングや失業者による犯罪や暴動の抑止の意味合いが強いものと考えられる(2020年4月20日記事参照)。コロナウイルスの感染者数は4月29日現在1,728人(うち死者51人)で、ここ数日は1日あたり約200人規模で拡大しており、収束の兆しは見えない。ラゴスに在留する邦人のうち、日系企業の駐在員は4月28日までに全員が一時退避帰国した。

(谷波拓真)

(ナイジェリア)

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