ラゴスやアブジャのロックダウン延長、失業者の困窮も治安悪化招く

(ナイジェリア)

ラゴス発

2020年04月20日

ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領は4月13日、国民に向けた演説で、3月30日に開始した(1)アブジャを中心とする連邦首都圏区(Federal Capital Territory, FCT)、(2)ラゴス州、(3)ラゴス州の北に隣接するオグン州における14日間のロックダウン(2020年4月10日記事参照)をさらに14日間延長すると発表した。ナイジェリアの新型コロナウイルス感染者数は、3地域でのロックダウンが始まった3月30日時点では131人だったが、2週間後の4月13日時点では323人に増加している。死者は10人。感染者数全体の54%がラゴス州で、FCTが17%と続いている。

ラゴス州やオグン州では、この2週間のロックダウンで日雇い労働者が現金を得られず食品を入手しにくくなっている。ロックダウンに便乗したギャング同士の抗争が発生したり、ギャングや失業者が住宅地を襲撃したりして、強盗や性犯罪が多発するなど治安が悪化している。現地報道によれば、ロックダウン開始後にラゴス州警察は130人以上の犯罪者を逮捕したという。警察の態勢が追い付かず、住民は自警団を組織して昼夜を問わず自衛している。

(西澤成世)

(ナイジェリア)

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