新型コロナウイルスの影響で製造業購買担当者指数(PMI)が大幅減少
(フィリピン)
マニラ発
2020年04月08日
IHSマークイットは4月1日、フィリピンの3月のIHSマークイット製造業購買担当者指数(PMI)(注)は39.7と発表した。52.3を記録した前月から12.6ポイント減少し、51.5を記録した前年同月から11.8ポイント減少した(添付資料参照)。
IHSマークイットは大幅な減少理由について、新型コロナウイルスの国内感染拡大を受け、国全体に何らかの移動制限が課され、国内の多くの製造業が操業を一時停止したことにあるとした。フィリピン政府は3月16日、国の人口の半数以上を占めるルソン島全体に外出禁止令を発令し、公共交通機関の停止を決定(2020年3月19日記事参照)。その後、ビサヤ地方やミンダナオ地方の各自治体も移動制限を課している。ジェトロとフィリピン日本人商工会議所(JCCIPI)が3月20~24日に実施した緊急アンケート(2020年3月26日記事参照)によると、ルソン地域の日系製造業のうち、通常通り営業・操業していると回答した企業はわずか4.2%にとどまり、多くの日系製造業が休業や在宅勤務を強いられている状況だ。
ASEAN全体の3月のPMIは43.4と、前月(50.2)から6.8ポイント減少している。ASEAN6カ国全てのPMIが減少するなど、ASEAN全体の製造業の業績見通しは先行きが心配される状況だ。ASEANのPMIは高い順から、マレーシア(48.4、0.1ポイント減)、タイ(46.7、2.8ポイント減)、ミャンマー(45.3、4.5ポイント減)、インドネシア(45.3、6.6ポイント減)、ベトナム(41.9、7.1ポイント減)、フィリピン(39.7、12.6ポイント減)となった。
(注)製造業の購買責任者を対象に、生産高や新規受注、在庫レベル、雇用状況、価格などの指数に一定のウエイトを掛けて算出する指数。0から100の間で変動し、50.0は「前月から横ばい」、50.0を超えると「前月比で改善や増加」を意味して景気拡大を示し、50.0未満は「前月比で悪化や減少」として景気減速を表す。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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