職場閉鎖を6月1日まで延長へ、必須サービスも縮小

(シンガポール)

シンガポール発

2020年04月22日

シンガポールのリー・シェンロン首相は4月21日のテレビ会見で、新型コロナウイルス拡大阻止を目的に4月7日から5月4日までとしていた職場閉鎖を、6月1日まで延長すると発表した。

同国で4月21日までに確認された新型コロナウイルス感染者は9,125人(うち、11人が死亡)にのぼり、建設分野の外国人労働者の宿舎で感染が急拡大した結果、4月に入って感染者数が急増している(2020年4月21日記事参照)。リー首相は会見で、外国人労働者の感染拡大に加え、感染経路の不明な感染ケースが減っていないと指摘。「これは、コミュニティーの間にまだ見つかっていない新型コロナウイルスの感染源が存在することを示している」と述べた。

政府タスクフォースは、労働者の動きや接触を最小限化するためにも、通勤者の割合を全労働者の現行の20%から15%まで減らすと述べた。このため、現在も継続が認められている職種と必要な人員を一段と削減する。今後も継続が認められる新たな必須サービスのリストは、新型コロナウイルスのビジネス向け広報ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。継続が認められた職種の企業は現場に必要な人員を申請する必要がある。

また、タスクフォースは、4月21日午後23時59分から、全ての低熟練外国人労働者向けのドミトリーに居住する外国人労働者に対して、外出を禁止した。

国民の給与の75%を補助する「雇用サポート・スキーム」を5月まで延長

ヘン・スイキャット副首相兼財務相はその後の会見で、職場閉鎖期間の延長を受けて3回目の経済支援パッケージで導入していた「雇用サポート・スキーム」の適用(2020年4月7日記事参照)についても5月まで延長すると発表した。第3弾の経済支援パッケージでは、全ての業種で働く国民(永住権者)の4月分の月給の75%を政府が支援するとしていたが、5月分についても75%を政府が負担する。また、低熟練外国人労働者の就労ビザ「ワーク・パミット(WP)」と、中熟練の「Sパス」の雇用者に課される外国人雇用税の4月納付分の支払い免除と1人当たり750シンガポール・ドル(約5万6,250円、1Sドル=約75円)の払い戻しも、5月納付分も同様に実施する。この追加支援のため、政府は38億Sドルを追加支出する。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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