第3弾の法人・個人向け総額51億Sドルの追加経済支援パッケージ発表

(シンガポール)

シンガポール発

2020年04月07日

シンガポールのヘン・スイキャット副首相兼財務相は4月6日、2020年度政府予算(2020年4月~2021年3月)の補正予算で、総額51億シンガポール・ドル(約3,876億円、Sドル、1Sドル=約76円)規模の、新型コロナウイルスで打撃を受けた一般世帯や法人向けの3回目となる経済支援パッケージを発表した。

ヘン副首相は、国民の雇用維持支援の「雇用サポート・スキーム」をさらに拡充するとし、全ての業種で働く国民(永住権者)の4月分の月給75%を政府が支援する(月給上限4,600Sドル)。また、低熟練外国人労働者の就労ビザ「ワーク・パミット(WP)」と、中熟練外国人労働者の「Sパス」の雇用者に課される外国人雇用税の支払いを、4月分を免除する。さらに、雇用するWPとSパス保持者について、1人当たり750Sドルを払い戻す。雇用主は雇用サポート・スキームの支援金と外国人雇用税の払い戻しを早ければ4月から受け取ることができる。

このほか、成人の国民への生活支援の一時金支給額を300Sドルから600Sドルに引き上げた(その他、法人、個人向け支援策の詳細は政府予算のホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)。

新型コロナウイルスに伴う政府の経済支援総額、GDPの12%相当に

リー・シェンロン首相は4月3日、国内での新型コロナウイルス感染の急拡大を受けて同月7日から5月4日まで、日常生活とサプライチェーンに必要なサービスを除き、全ての職場を閉鎖すると発表した(2020年4月6日記事参照)。この1カ月にわたる職場閉鎖でさらに経済的な打撃を受ける個人や法人を支援するため、2月18日に最初の経済支援パッケージを発表してからわずか2カ月足らずで3回目の支援策導入となった。1回目の支援額64億Sドルと2回目の484憶Sドルに、3回目の支援総額51億Sドルを加えると、新型コロナウイルスに伴う政府の支援総額は599億Sドルと、同国のGDPの12%相当の規模となる。

シンガポール政府は3月26日発表の2回目の経済支援パッケージ導入の際に、財源の一部として170億Sドルを過去の準備金から拠出するとしていた(2020年3月27日記事参照)。ヘン副首相は今回の3回目の経済支援の財源として、さらに40億Sドルを過去の準備金から取り崩す。

同国で4月5日までに確認された新型コロナウイルスの感染者は累計で1,309人(うち、320人が回復、25人が重篤者、6人が死亡)となった。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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