アルジェリア、新型コロナウイルス緊急経済対策を実施へ
(アルジェリア)
パリ発
2020年04月03日
アルジェリア政府の発表によると、3月31日に新型コロナウイルス感染者が新たに132人発生し、アルジェ県とブリダ県を中心に国内の感染者は716人、死者は44人になり、感染拡大が継続している〔3月31日付アルジェリア通信(APS)〕。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大などに伴った原油価格の低迷がアルジェリアの輸出額の減少につながり、国内の経済状況が悪化する可能性が高まる中(2020年3月24日記事参照)、アブデルマジッド・テブン大統領は3月22日の閣僚会合で緊急感染対策に加え、国内経済支援を目的とした緊急対策を併せて政府に指示した。
大統領の指示内容は以下のとおり。
- 2020年の年間輸入額を410億ドルから310億ドルに縮小
- 公務員の給与を除き、行政機関の運営に関わる全ての歳出を30%削減
- エンジニアリングサービス(主に炭化水素部門)を提供している外国企業との契約締結中止
- 医療部門を除き、発電所の建設など未着工の公共投資計画の停止
- アルジェリア国営炭化水素公社(ソナトラック)の投資額および運営費用を140億ドルから70億ドルに縮小
- 農業部門を対象にした外国からの投資および国内投資に対する緊急支援措置を導入
- 政府系金融機関による借款の返済および各種税金の徴収を強化
今後、省や公社など関係機関が当該指示に関する省令と細則を発表する予定だ。
アルジェリアの外貨準備高は2019年12月には620億ドルに落ち込み、同年4月からの9カ月で約100億ドル減少した。2020年の財政法では、外貨準備高は2020年12月にはさらに516億ドルまで減少するとの見込みが示されている。原油価格の下落により輸出額が大幅に減少するため、外貨準備高がこれ以上速いペースで減少しないよう、政府は前述の緊急対策の実施を急ぐ。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア)
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