オンタリオ州が企業閉鎖命令を厳格化、新型コロナウイルスによる州内死者数は最大1万5,000人と予測

カナダのオンタリオ州で新型コロナウイルス感染拡大抑止のため企業閉鎖命令（2020年3月26日記事参照）が出される中、同州のフォード首相は4月3日、営業が許可されている必要不可欠な事業の分類をこれまでの74から44に減らす新たな措置を発表した。この措置は4日午後11時59分から14日間適用される。

オンタリオ州政府は3日、州内の感染者数・死者数の予測に関する分析結果を発表し、向こう１カ月の短期予測として、現在取っている感染拡大抑止措置が続いた場合でも、4月30日までの死者は1,600人に上るが、措置をより厳格化すれば200人に抑制できるとした。措置の厳格化の例として、営業が許可されている必要不可欠な事業の分類の削減や、命令違反に対する罰則・罰金の強化を挙げた。新型コロナウイルスの大流行による州内の死者数は、現在の措置を継続したとしても最終的に最大1万5,000人に達する可能性があり、措置を講じなければ10万人になると予測している。4月6日時点のオンタリオ州での感染者数は4,347人、死者132人となっている。

カナダ全体の感染者数の予測に関しては、トルドー首相は4月2日の記者会見で、記者からの「米国同様に国として感染拡大の予測データなどを早く公表してほしい」という要望に対し、「間もなく提供できる」と回答していた。オンタリオ州は予測データを公表、州民への感染拡大防止措置への理解・協力を求めたかたちだ。

なお、6日時点のカナダ全体の感染者数は1万6,653人、死者323人となっている。カナダ統計局によると、2020年第1四半期（1～3月）のオンタリオ州の推計人口は1,471万人で、カナダの全人口（3,789万人）の38.8％を占めるが、同州の感染者数は全体の26.1％にとどまっている。

（飯田洋子）