債務再編交渉を延長、IMFには新規融資受け入れを希望

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年04月07日

マルティン・グスマン経済相は3月31日、記者会見において、同日までに債権者との合意を目指してきた外貨建て債務再編交渉を継続すると発表した。また、対象となる外貨建て債務額はこれまでの688億ドルが830億ドルに拡大され、民間債権者との合意後におけるIMFとの新たな融資プログラムへの意向が表明された。

政府は、債務再編を最優先課題と位置付け、3月末までに合意すべく準備を進めてきたが(2020年3月25日記事参照)、新型コロナウイルスによる影響で計画どおりの妥結が困難となっていた。グスマン経済相は、具体的な新たな合意期日は定めていないとしたものの、現時点で債権者と建設的な協議を進めていることを強調し、引き続き今週、来週も債権者との協議が予定されていることを明らかにした。

また、グスマン経済相は債務再編の具体策を明示しなかったが、3月31日付「クラリン」紙によると、IMFが作成した「債務の持続可能性分析」に沿った提案になることが予想される。同相によると、IMFの分析では、持続可能な返済のためには5年間の返済猶予期間が必要だとしている。さらに、返済に当たっては「複数の組み合わせがありうる」とし、返済期限の変更、利率の引き下げ、元本の削減などが考えられるほか、GDP成長率によって利率を変動させることも検討されていると同相は述べている。

記者会見では、再編の段取りについて、まず民間債権者との合意を目指し、その後IMFとの新たな融資受け入れに向けた協議に持ち込みたいと表明した。アルゼンチン政府としては、現在新型コロナウイルスの影響によって中断している、新規融資受け入れの前提となる「IMF4条協議」の早期実施を希望している。政権発足前にはマクリ前政権に対する大型融資プログラムを批判してきたフェルナンデス政権だが、発足以降はトップ同士の会談も行うなど協調姿勢を続けている。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

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