グスマン経済相、債権者に債務返済は厳しいと説明

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年03月25日

マルティン・グスマン経済相は20日、国内外の債権者に向けたビデオ・カンファレンスの場で、アルゼンチンは現在、債務返済が厳しい状況にあることを改めて説明した。ただ、債務再編に向けては引き続き、早急かつ誠意をもって取り組む意思があることを表明した。

今回グスマン経済相は、2018年以降の国内経済情勢および債務状況を紹介するにとどまり、具体的な再編案までは言及しなかった。同相は、2019年のアルゼンチンの総債務残高がGDP比88.8%、うち外貨建ての公的債務が同69.0%を占めるといった厳しい状況にあることを説明した。また、今後の経済成長率や基礎的財政収支の見通しを考慮すると「債務返済の継続性がない」と判断しているとも説明。2020年3月以降、リスク指数が急騰しており、外貨準備高などの状況も鑑みて「支払いも難しい」と判断してことも明らかにした。

グスマン経済相はまた、債務再編に向けた厳しい環境を認めつつ、3月23日の週には債権者とのマクロ経済プログラムに関する建設的な議論への参加を促すことで、早期の再編妥結に向けた協議を続けていきたい意向を示した。3月20日付の現地「ペルフィル」紙は、再編妥結の新たな期限が5月になるのでは、との見通しを伝えている。

政府は、債務再編を目下の最優先課題とし、3月末までに債権者との合意を目指すべく準備してきた。今回の債務再編では、35種類におよぶアルゼンチン国債688億4,300万ドル分が対象となるとみられている。政府と債権者との協議は、当初予定されていたスケジュールより遅れており、当初目指していた3月中の妥結は難しくなっている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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