カナダ食品検査庁、7月からの食品安全規則適用に柔軟性、新型コロナウイルス感染拡大受け

(カナダ)

トロント発

2020年04月24日

カナダ食品検査庁は4月7日、2020年7月15日からカナダ食品安全規則(Safe Food for Canadians Regulation:SFCR)の順守が求められる加工食品について、追って通知するまで規則の順守管理を優先しないと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本来であれば、同庁は7月15日以降、SFCRに基づくライセンスを付与済みの事業者が規則の要件を満たしているかを検査や監視を通じて確認を行うことになっているが、今回の発表により規則の執行を一時的に緩和した。

同庁は今回の対応について、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、食品業界がカナダ国内での安定した食料供給の維持に取り組む一方で、従業員の健康や安全を最優先している状況を考慮したとしている。

カナダ食品安全規制は2019年1月15日に施行されたが、食品の種類や事業規模、活動の種類に応じて適用に猶予期間が設けられ、2021年7月の全面適用まで段階的に運用が行われている。2020年1月15日からは青果物への適用が実施され(2019年11月26日記事参照)、7月15日からは加工食品含む次の3分類の食品への適用が開始される。

  • 穀物、油脂、豆類、砂糖、飲料〔事業者の年間売上が10万カナダドル(約760万円、Cドル、1Cドル=約76円)を超え、かつ従業員が5人以上の場合〕
  • 菓子などを含むカナダ食品安全規則で定義されるその他の(加工)食品(事業者の年間売上が10万Cドルを超え、かつ従業員が5人以上の場合)
  • 食品添加物およびアルコール飲料

食品添加物およびアルコール飲料を除いて、これらの食品の製造業者や輸入業者などの事業者は、予防管理や食品安全予防管理計画の保持、トレーサビリティーのための記録保管などの要件を満たすことで、カナダ食品検査庁からライセンスが付与される。

カナダ食品検査庁はライセンス取得を引き続き推奨

カナダ食品検査庁は今回の発表にかかわらず、事業者に対してライセンスの取得を推奨している。ただし、SFCRの対象となる食品の輸入業者は、同ライセンスを未取得という理由だけで、輸入の遅延や中断に遭遇することはないとしている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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