第1四半期の消費者期待感指数が悪化、中央銀行発表

(フィリピン)

マニラ発

2020年04月22日

フィリピン中央銀行(BSP)は4月16日、2020年第1四半期(1~3月)の消費者期待感指数(注)を発表し、先行き3カ月、12カ月の消費者期待感指数がともに、前期と比較して悪化したことが分かった。

2020年第1四半期の先行き3カ月の消費者期待感指数は9.2となり、前期(15.7)から6.5ポイント、先行き12カ月では19.9となり、前期(26.4)から6.5ポイントそれぞれ悪化した。

BSPは2つの指数の悪化原因として、マニラ首都圏近郊のタール火山の噴火(2020年1月14日記事参照)や、新型コロナウイルスの感染拡大、製品価格の上昇、家計収入の弱さなどを挙げた。

世帯収入別にみると、収入が比較的高い世帯の方が悲観視していることが分かった。1カ月当たりの世帯収入が1万ペソ(約2万1,000円。1ペソ=約2.1円)未満の世帯の先行き3カ月と12カ月の消費者期待感指数はそれぞれ7.0、15.4となり、前期からそれぞれ0.2ポイント改善、2.3ポイント悪化した。世帯収入が1万~3万ペソ未満の世帯は9.4(前期比9.4ポイント悪化)、20.4(8.5ポイント悪化)、3万ペソ以上の世帯では11.9(14.5ポイント悪化)、25.5(12.3ポイント悪化)と、悪化幅が拡大した。

(注)景気、家計、世帯収入の3指標について、改善すると回答した世帯の割合から悪化するとした世帯の割合を引いて算出。1月29日から2月10日にかけて調査を実施し、全国5,406世帯(うち、マニラ首都圏内2,722世帯、マニラ首都圏外2,684世帯)が回答。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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