カルナータカ州政府予算案、ベンガルールの交通インフラに重点投資へ

(インド)

ベンガルール発

2020年03月13日

インド南部カルナータカ州政府のB・S・イェデュラッパ州首相は3月5日、カルナータカ州議会において、2020年度(2020年4月~2021年3月)の新年度予算案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。イェデュラッパ州首相は、州経済の牽引役としての州都ベンガルールの重要性をあらためて強調し、ベンガルールの総合的な発展のために、877億2,000万ルピー(約1,228億円、1ルピー=約1.4円)の予算を執行するとした。特に、悪化が著しい交通渋滞を緩和するためのインフラ整備や、公共交通システムの改善に重点が置かれる計画となっている(2020年2月12日記事参照)。

ベンガルールに特化した総合的な交通計画が策定されるのは、州政府として初めての試みとなる。バス、鉄道などの公共交通機関の利用率を向上させるため、駅など関連施設の建設、乗り換えを便利にするための取り組みや、改善に必要な法整備などを盛り込む(「ファイナンシャルエクスプレス」紙3月5日)。

鉄道分野では、2020年2月に発表された中央政府の予算案にも盛り込まれたベンガルール近郊都市鉄道の建設費に、州政府からも50億ルピーが投入される。また、公共バスを運営するベンガルール都市交通公社にも、新たな予算が割り当てられることになっており、890台の電気バスの導入を含めて、合計2,390台の新しいバスの購入が計画されている。道路インフラについては、ベンガルール内で渋滞状況が深刻な12のエリアにおいて、バス専用レーンが新設されるほか、50億ルピーがカルナータカ道路開発局の下、道路インフラの改善工事に使われる予定だ。また、今後2年間で100億ルピーを投じ、ベンガルール近郊の110の村とベンガルール市内をつなぐ道路の補修も計画されている。

渋滞緩和や交通安全の向上に向けて、インドが得意とするデータ活用も盛り込まれており、総額2億ルピーの補助金により、乗用車と商用車へのGPS搭載を促進し、交通状況のモニタリングを行う計画もある。今後、ベンガルールの交通インフラの改善が期待される。

(遠藤壮一郎)

(インド)

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