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官民協力しての包装物および使い捨てプラスチック3Rの取り組み

(オランダ)

欧州ロシアCIS課

2020年03月26日

オランダでは2019年2月に、官民で包装物および使い捨てプラスチック製品の、削減と再利用・リサイクル(3R)推進に取り組むイニシアティブ「Plastic Pact NL」が立ち上げられ、その後、欧州規模で同様の取り組みを行う「European Plastic Pact」(2020年3月19日記事参照)が2020年3月に立ち上げられたことにつながる、フロントランナーの役割を果たした。ジェトロは「Plastic Pact NL」の活動について、オランダ水資源インフラ省循環経済アドバイザーのマルティン・ファン・ライン氏に聞いた。

「Plastic Pact NL」は、プラスチック製品のメーカーおよびユーザー企業55社と、20の研究機関や団体が参画して発足した。参画企業・団体数はその後増え続け、現在は102を数える。ユニリーバ、ネスレ、フリースランド・カンピーナのような大企業だけではなく、中小企業も参画している。(1)製品デザイン、(2)分別・回収、(3)コミュニケーション、(4)リユース、リデュース、の4つの分科会が設けられ、参画企業・団体はそれぞれの関心に沿って分科会に参加することができる。発足に際して企業と協議する中で、何が可能かを考え、できることを積み重ねていくかたちをとることとし、使い捨てプラスチック製品・包装物について、以下の4点を2025年までの目標として設定した。

  1. 100%リサイクル可能とする。また、可能な限り再利用可能とする。
  2. 再利用、代替素材利用とプラスチック使用量の削減に努め、使用されるプラスチックの量(重量)を2017年比で20%削減する。
  3. 少なくとも70%がリサイクルされるよう、分別・リサイクルの処理能力を増強する。
  4. 少なくとも35%(重量ベース)は再生プラスチックを使用する。また、化石素材由来のプラスチック利用を減らすため、可能な限りバイオ由来プラスチックを使用する。

参画企業は、プラスチック製品の生産量、利用量、リサイクル率、再生プラスチックの利用率などについて、毎年、報告書を出すこととなっている。2020年2月が最初の提出期限だったが、質問項目・指標の数が90以上に及び、回答率は約40%にとどまった。再度、提出を促して9月をめどに取りまとめ、環境相にもフィードバックする予定。今後は質問項目・指標の数を絞り、どんな取り組みを行っているかについての定性的な報告も盛り込むことを考えている。

リサイクルに当たっての課題の1つは、分別できないタイプの素材があること。自動分別機で認識できる素材の種類を増やすなどのイノベーションが必要で、大学や研究機関が分別効率を上げる努力をしている。国としても助成策を提供し、支援している。また、汚れた廃プラスチックの洗浄、危険物質の除去といった課題もある。危険物質の取り扱いは難しい課題で、製品デザインの分科会で議論している。洗い流しやすいインクを開発している参画企業もある。参画企業のアルバート・ハイン(Albert Hein)やユンボ(Jumbo)といった流通大手は、プラスチック包装物などを納入するサプライヤーに対してガイドラインを出している。これはサプライヤーにとってはチャレンジだが、イノベーションを促進する効果も期待される。

オランダのような小さい市場だけで取り組みを進めても限界があり、今般立ち上げられた「European Plastic Pact」により、欧州ワイドで共通のゴールへ向けて取り組みを進めることで、スケールメリットも働き、効率的にゴールを達成することが期待される。

写真 オランダ水資源インフラ省循環経済アドバイザーのマルティン・ファン・ライン氏(ジェトロ撮影)

オランダ水資源インフラ省循環経済アドバイザーのマルティン・ファン・ライン氏(ジェトロ撮影)

(立川雅和)

(オランダ)

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