2019年第4四半期のGDP成長率、前期比マイナス1.4%、景気後退局面に

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年03月10日

南アフリカ共和国統計局は3月3日、2019年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(前期比、年率換算、季節調整済み)をマイナス1.4%と発表した(表1参照)。前期のマイナス0.8%(2019年12月13日記事参照)に続き2期連続のマイナス成長で、景気後退局面に入った。2019年も第1四半期(1~3月)、第2四半期(4~6月)とマイナス成長が続いて景気後退が確認されており、今回はこの2年で2回目となった。なお、2019年通年の南アの成長率は0.2%だった。

表1 産業別GDP成長率(実質、前年・前期比率換算、季節調整済み)

産業別では、GDPの約2割を占める金融・保険・不動産業・企業サービスが前期比2.7%増、鉱業がプラチナや鉄鉱石、金などの主要鉱物の生産増加により1.8%増、その他サービスもプラス成長となったほかは、全ての業種でマイナス成長となった。運輸・倉庫・通信は陸上交通輸送の低調を受けて前期比7.2%減で4期連続のマイナス成長となり、GDPを押し下げる最大の要因となった。2019年11月に国営南ア航空の労働争議により多くの便がキャンセルされる事態になっていた(2020年2月18日記事参照)。また、農林水産業も主要穀物や野菜・花卉(かき)の生産減少の影響で7.6%減となった。

需要項目別にみると、需要全体の約6割を占める民間最終消費支出が、衣料品、履物、家具の消費が好調だったことにより、3期連続プラス成長となる1.4%増となった(表2参照)。一方、在庫変動は鉱業、卸における在庫調整の影響から大きく縮小し、全体の資本形成が25.4%の大幅減となりGDP全体を押し下げた。総固定資本形成も機械設備・機器や輸送機器などの設備投資の縮小を受け10.0%減となり、3期ぶりにマイナス成長となった。輸入は機械・乗用車・輸送機器輸入の減少により8.5%減だった。

表2 需要項目別GDP成長率(実質、前年・前期比率換算、季節調整済み)

財務省は2月に、南アの2020年の経済成長率の見通しを0.9%と発表したが(2020年3月5日記事参照)、南ア政府の構造改革の必要性と新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への影響から、当地のエコノミストらはこの予測に懐疑的な見方を示しており、大手銀行ネドバンクは2020年の成長率を0.5~0.7%と予測している。OECDも3月2日に発表した新型コロナウイルスの影響を反映した経済見通しで(2020年3月3日記事参照)、2020年の南アの経済成長率を0.6%に下方修正している。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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