リブリン大統領、中道連合「青と白」のガンツ氏に組閣を要請

(イスラエル)

テルアビブ発

2020年03月23日

ルーベン・リブリン大統領は3月16日、総選挙で議席を獲得した8党の代表と面談した結果を受け、中道連合「青と白」の共同代表ベニー・ガンツ氏に組閣を要請した。

3月2日に実施された第23回総選挙(2020年3月6日記事参照)ではベンヤミン・ネタニヤフ首相が率いる右派「リクード」が36議席を獲得し第1党となった。「青と白」は33議席となったものの、全ての政党から大統領が意見を聴取した結果、過半数となる61議員がガンツ氏を推薦し、ネタニヤフ首相を支持する58議員を上回った。1人の議員は誰も推薦しなかった。

新型コロナウイルス感染者が国内で増加する緊急事態をふまえ、リブリン大統領はこのウイルス危機に対処するため、速やかに組閣するようガンツ氏への期待を表明した(Ynetnews3月16日)。昨年4月・9月の総選挙では連立協議が不調に終わったが、今回4度目の総選挙にならずに組閣が実現することが、コロナウイルス対策にも不可欠だと考えられる。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止のため、イスラエルでは入国制限(2020年3月16日記事参照)や商業施設の営業停止、公共部門での活動縮小、民間部門のビジネス活動を最小限に保ち職場の労働者数を70パーセント減らすなどの措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが実施されている。

なお、3月17日に予定されていたネタニヤフ首相の初公判は5月24日に延期することが、司法省により発表された(「エルサレム・ポスト」紙3月15日)。

(余田知弘)

(イスラエル)

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