新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた細則を発表

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年03月24日

南アフリカ共和国の協調統治・伝統業務省は3月18日付けの官報で、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた細則を発表した。15日にシリル・ラマポーザ大統領から宣言された「国家的災害事態(2020年3月18日記事参照)」に基づくもの。南ア保健省の発表によると、国内の新型コロナウイルスの感染者は3月22日時点で274人まで増加(「ビジネスインサイダー」3月22日)。国内感染もすでに始まっていることから、政府は警戒感を強めるとともに感染拡大防止に躍起だ。

今回の官報で発表された主な点は以下の通り。

  • 感染が確認された者、感染が疑われる者、感染者に接触した者は南ア当局が求める検査、検疫、隔離などに従わなければならない
  • 感染を故意に虚偽する者への有罪化(罰金または6カ月以内の禁錮、もしくはその両方)
  • SNSなどを通じて故意に他者を欺こうとする情報を配信する者への有罪化(同上)
  • 酒類を提供する施設(レストラン、クラブ、バー)での50人以上の収容の禁止(酒類の提供の有無に関わらず100人以上の集会に関してはすでに禁止)
  • 上記施設および酒類販売店は平日・土曜の午後6時~翌日9時まで営業禁止。日曜・祝日は午後1時以降の営業禁止
  • 3月18日~4月15日までの休校(延長の可能性あり)

なお、南ア運輸省も同じく18日、渡航制限に関する細則を官報で発表。15日の大統領演説で言及されたとおり、南ア政府が指定する「高リスク国」(中国、ドイツ、イタリア、イラン、韓国、スペイン、英国、米国、スペイン)からの外国人の入国を禁止すると定めた。旅行制限に伴う航空旅客需要の減少を受け、国営南ア航空は3月31日までに38のアフリカ域外の国際線と、124の域内便のキャンセルを発表した(南ア航空プレスリリース3月18日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。なお、経営危機により会社更生法下にある同航空は、経営再建の一環として国内線の大部分の運行を2月に中止したばかりだ(2020年2月18日記事参照)。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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