カナダ連邦政府、新型コロナウイルス感染拡大対策として、中小企業向け財政支援の拡充を発表

(カナダ)

トロント発

2020年03月30日

カナダのジャスティン・トルドー首相は3月27日の定例会見で、中小企業に対して支払給与の75%を補助すると発表した。3月15日にさかのぼり適用される。同首相は、これより以前の3月18日に、中小企業に3カ月間、支払給与の10%を補助する旨発表していたが、さらなる支援が必要と判断したもの。対象となる中小企業の詳細については、今月末までに明らかになる。

このほか、金融機関への最大250億カナダ・ドル(約1兆9,250億円、Cドル、1Cドル=約77円)の資金提供・保証(中小企業向けの無利子ローンの提供)、中小企業のキャッシュフロー支援のため、カナダ輸出開発公社、カナダ事業開発銀行を通じて、最大400億Cドル(約3兆800億円)の提供、連邦付加価値税(GST)と統一売上税(HST)および輸入関税の納付期限の6月までの延期も発表された。

また、カナダ銀行(中央銀行)は、同日、政策金利を0.50ポイント引き下げ0.25%にすると発表した。今回の決定は、3月に入って3月4日、16日(2020年3月5日記事3月16日記事参照)に続く3回目の0.50ポイントの引き下げとなる。今回の予定外の引き下げについて、スティーブン・ポロズ・カナダ銀行総裁は「(中小企業支援など)27日に発表された政府の財政措置に対し、金融政策として支援的な役割を果たすための決定である」とした上で、今回の決定には、「1.金融システムを迅速に支援して信用を維持すること、また、2.長期的には、経済が正常に戻るための基盤を築くことの2つの意図がある」との声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表している。

カナダ商工会議所のペリン・ビーティー会頭は「今回の連邦政府の支援策は、雇用を守り、従業員への給与を維持するのに有益である。政府は数十万の中小企業と数百万人の従業員にライフラインを提供した。政府の産業界への対応と取組みを称賛する」との声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表している。

3月29日午後6時時点のカナダでの感染者は6,255人、死者63人となっている。

(酒井拓司)

(カナダ)

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