カナダ銀行は0.5ポイントの緊急利下げ、連邦政府は100億カナダ・ドルの融資枠拡大を発表

(カナダ)

トロント発

2020年03月16日

ビル・モルノー財務相、スティーブン・ポロズ・カナダ銀行総裁、ジェレミー・ルディ金融機関監督庁長官は3月13日、共同記者会見を開き、カナダ経済および金融分野への支援策としてカナダ銀行(中央銀行)による緊急金利引き下げや、連邦政府による民間企業への融資・信用保険枠拡大などを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

カナダ銀行(中央銀行)のポロズ総裁は、3月16日から政策金利を0.50ポイント引き下げ0.75%とする外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとした。中央銀行は3月4日の定例会合で0.50ポイントの利下げを行ったばかりだが(2020年3月5日記事参照)、今回の臨時決定は、新型コロナウイルスの世界的大流行と原油価格の急落から生じたカナダ経済への悪影響を考慮した積極的な措置だと説明した。新型コロナウイルスのまん延がカナダの家庭や経済に深刻な影響を及ぼしていることは明らかで、3月4日の利下げ以降も続く石油価格下落が、特にエネルギー産業を基盤とする地域の経済に大きな影響を与えているとしている。

さらに、連邦政府のモルノー財務相は、カナダ事業開発銀行およびカナダ輸出開発公社を通じて、経済的影響を受けている民間企業への融資や信用保険枠を100億カナダ・ドル(約7,500億円、Cドル、1Cドル=約75円)以上拡大する用意があることを説明した。

加えて、ルディ金融機関監督庁長官は、国内の主要銀行の貸付能力や市場での資金流動性を高めるため、同行へ課している「国内安定化バッファー」と呼ばれる緊急時に備えた資本保有残高要件を現行のリスク資産の2.25%から1%へ緩和することを発表した。これにより、3,000億Cドルを超える貸付資産が新たに確保されることになるとしている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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