ベトナム政府、外国人観光客への差別取り締まりを強化

(ベトナム)

アジア大洋州課

2020年03月26日

ベトナム政府は3月18日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国内各地で発生している外国人観光客に対する差別を厳重に罰するよう、各地の人民委員会に対して求めた。

現地報道によると、3月17日に2人のベルギー人が宿泊のためハノイ市内のホテルに到着したところ、事前連絡なしに予約がキャンセルされていた。欧州からの観光客がベトナム北部ニンビン省で、6軒のホテルから宿泊を断られた事例も報じられている(3月19日付VNエクスプレス)。

ベトナムでは、2月13日に16人目の感染者が報告されて以降、3週間にわたり新たな感染者は報告されていなかったが、3月6日に英国から帰国したベトナム人の感染が確認されて以降、帰国者経由で感染が拡大しており、市民に不安が広がっている(2020年3月13日記事参照)。

ベトナム政府は、3月22日より全ての外国人の入国を停止する旨を決定した。日本からの入国については、3月18日より実質困難となっており、日本に対するビザ免除措置も3月21日正午から停止となっている(2020年3月24日記事参照)。

文化・スポーツ・観光省によると、外国人観光客数は年々増加しており、2018年の観光客数は、3年前からほぼ倍増し、1,500万人に達した。また、国連世界観光機関(UNWTO)は、世界で急成長を遂げている観光地の1つにベトナムを選定している。

(上田弘大)

(ベトナム)

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