ウルグアイ大統領が就任、メルコスール諸国との関係強化を強調

(ウルグアイ)

ブエノスアイレス発

2020年03月09日

ウルグアイの首都モンテビデオで3月1日、ルイス・ラカジェ・ポウ第42代大統領の就任式が行われた。任期は5年。

就任演説の中で大統領は「財政赤字と社会保障制度の改善に着手する」ことを言明。また、学校の機能・制度・カリキュラムの変革を図り、イノベーション分野に力を入れ、ウルグアイへの諸外国からの情報通信技術(ICT)投資を促進させると表明した。

外交政策では、メルコスールの強化に取り組む姿勢を鮮明にした。大統領は「加盟国間の政治的イデオロギーを乗り越え、互いの共通の利益のために行動していく必要がある」と述べるとともに、「2019年6月に合意に至ったEU・メルコスールFTA(自由貿易協定)を発効させることが国際社会の信用を得るために重要」と強調した(2019年7月1日記事参照)。

また、選挙ではラカジェ・ポウ大統領が得票率48.87%、対立候補が47.35%という僅差で勝利したことから(2019年12月6日記事参照)、国民との「絶え間ない対話」を約束した。

就任式には、メルコスール加盟国であるブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領やパラグアイのマリオ・アブド・ベニテス大統領が出席した。加盟国のアルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は議会の開会日と重なったため参加せず、フェリペ・ソラ外相らが代理出席した。さらに、チリのセバスティアン・ピニェラ大統領、コロンビアのイバン・ドゥケ大統領も出席した。一方、3月2日付の「エル・パイス」紙によると、ラカジェ・ポウ大統領は民主主義の重要性を強調していることから、キューバのミゲル・ディアス・カネル大統領、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は招待しなかったという。ベネズエラのフアン・グアイド暫定大統領は自身のツイッターでラカジェ・ポウ大統領の就任を祝い、ラカジェ・ポウ大統領もそれに謝辞を述べた。

(津下みなみ)

(ウルグアイ)

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